仄暗いBAR 蓄音機の歌声
照らす明かりに 映る影
琥珀色に浮かぶ 透明な球
猫の欠伸 両隣の人影
冷えた琥珀を煽る
思い出の味より 甘く
自嘲気味な笑みを乗せる
遠く カメラのシャッター音
3人の世界を閉じ込めて
泣き止んだ空は 朝焼けに染まる
お題【朝日の温もり】
タイトル【モノクロ写真】
引かれた手の先 真っ暗闇
底なし沼に溺れゆく
自尊心 或いは理性か
漏れ出す光に 知らぬふり
違えた道は 知られぬままで
訪れは ハーモニカの音色
帰るのは 待ち人がいる谷
セカイが色付いたのは
キミが待つ場所に 帰れるから
近付く居場所
ただいま その一言で
冷めぬ熱
まだ夢に浸かっているやうな
妙に冴えて 廻る思考回路
もう一度 またいつか
そんな言葉で 願う
ある真夜中の記憶
零れ落ちる 言の葉と
また伝えられぬ 真の言の葉と
たった百年とは言えぬ 長い年月
今日も又 雪が降る
眼下に広がる見慣れた景色
もし目覚めたならば
遠い昔の 言の葉を
皮肉と共に 伝えてみようか
不快音 不味い味
憑いた不快は 剥がれずに
独りで縋った 24時
遠き記憶の アオイハル
夢はいつでも 幸せ止まり
お題【誰にも言えない秘密】
タイトル【五つのSOS】
求められる 才の塊
視界に映らない 努力の塊
見送る背中に 閉じた扉の鍵を掛け
頬を伝う何かを 空の涙と言い張った
荒れる群青 歓迎する岩達の集団
覗き込む 除かれる
残された影は 1人過去を謳う
この塩辛さが 悲しみならば
どんな砂糖菓子より 甘いと言おう
幸せの藍に 溺れる
此処で途切れた物語 世界はきっと喜ぶだろう
お題【正直】
タイトル【天邪鬼の反対言葉】
緑の檻で木霊する
小さな嗚咽と 嘔吐く声
体に呪いを孕ませて
笑顔の仮面を貼り付ける
最高の空を閉じ込めた
2つの光に 目を逸らし
価値なき嫌悪の 波の中
追わないキミは 歩みが進む
大義を掲げ 背を向けて
理想を描いて 歩く道
平和を盾に 善悪でする闇鍋が
溢れて止まらず 夜と泣く
お題【突然の別れ】
タイトル【再会の聖夜】
ネオン 彩る夜の街
雑音に被る 雨音
濡れた烏のやうな 路地裏
月は 闇に飲み込まれた
濃い酒の香り 吐息に混ざる紫煙
糸の切られた 人形達
海が散らばる 路地裏
壊れた傘を差す
まだ 始まったばかりの夜
明日に願う 歩みを止めて
美しく傲慢な セカイよ
まだ目を覚まさずに
お題【真夜中】
タイトル【夜の祝福】