掻き分け 掻き分け茨道
払って 落とした土埃
闇に紛れた 直垂の
若竹色を懐かしむ
無数の欲に 裾引かれ
蔦の蜷局が 絡む首
紅く染まった 両掌と
奈落に響く 死者の呼び声
地獄の片道切符を 手に握る
その背を 看取る
我等の罪は 手を握らずに
送ること
後に残りし 後悔を
悲しむ勿れ
それも又 時を継ぐ為
お題【後悔】
タイトル【許しを乞うて】
風の吐息 揺れる紫煙
赤い蛍光 白黒模様
闇色の海 浮かぶ硝子玉
運任せ 風任せ
止まるタイヤの 不快音
この果てなき道の 真ん中で
固く結んだ 鎖から
潮風の匂いを 運ぶ
お題【風に身をまかせ】
タイトル【人形】
~~~~~~※今回は下にもう1つ~~~~~~~
青空を駆け 風と戯れる
空の支配者さえ 従えて
この国の 広大な空
彼の庭であり 玩具
誰も行けぬ あの向こう
彼の守護が 終わるとき
彼は知らぬ地を 見渡すのだ
嗚呼 羨ましきあの翼
彼と共に飛び立つだろう
澄んだ翡翠 深い藍
今は風に身をまかせ
木漏れ日に 船を漕ぐ
お題【風に身をまかせ】
タイトル【微風に願う夢】
青空に游ぐ 入道雲
カラコロ 笑う風鈴
あの遠い 地平線の向こうへ
指切りの歌が 木霊する夏
増えた歳 心を置いて
鬼ごっこ
追われる日々 忘れた約束
過去に残した 指切りげんまん
永遠の友よ 逃げ場の無い
愚かな僕の 手を引いてくれ
まだ尊き日々を 取り返すには遅くない
まだ僕ら 大人の子供だから
お題【子供のままで】
タイトル【指先にはミライ】
風に乗り 空と踊る
ふらりふらり 旅をする
いつの日か見た 花畑を目指して
ふらり 旅をする
暖かな太陽が 微笑んだ
風が叫び 空が泣く
ふらりふらり 旅をする
あの花畑を 目指して
灰を被った 雲の下
隠れた太陽は 見つめる
風が笑い 空も笑う
ふらりふらり 旅をする
遠い何処かの 花畑を目指して
木の葉と虫の 重奏合唱
朗らかに笑う太陽が 少し眩しくなる
そよ風に吹かれ 空を游ぐ
ふらりふらり 旅をする
あの虹の先 いつか夢見た花畑
暁に染まる空
春の訪れを 待つ楽園
夢に想い馳せる太陽が 目を覚ます
紋白蝶や 約束の地に
どれだけ時が 流れても
どれだけ季節が 移ろおうとも
必ずや お前に会いに来るとしよう
お題【モンシロチョウ】
タイトル【また来世で】
孤月の浮かぶ 暗闇の中
キミを 懐かしむ
振り返らずに 戻らずに
シンユウ 人波に呑み込まれ
片割れたまま 戻らない
オマエの消えた夏
ゆらゆるり 揺れる紫煙
欠けた最強に 呆れては
漏れる呟き
宛名は 途切れたアオイハル
知らぬフリした あの夏へ
見慣れた 景色が味気なく
モノクロ写真と化した 夏より
置いてけぼりの席 増えない出席日数
手放したモノは 大きいことを知る
何か変わった筈の 夏
変えられなかった あの夏に
戻ることが出来たなら
嗚呼 どんな言葉を贈るだろう
サヨナラ
思い出さないアオイハル
忘れられない程 鮮明に
お題【忘れられない、いつまでも】
タイトル【夏の思い出】