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1/10/2026, 1:07:00 PM

「20歳」

「ねぇ、あなたは何歳になったの?」

どれだけ聞いても、呟いても、
答えは返ってこない。



遠い昔、あなたは産まれた。
産声をあげて、立派に泣いて。

抱きしめるたびに愛おしくなって、
あなたの声を聞くと、涙が溢れた。

嬉しかったの。苦しかったことや、
痛かったこと、辛かったことの
すべてが消えてしまうくらいに。



少し昔、あなたは10歳になった。
笑顔が綺麗で、立派に育って。

抱きしめるほどに愛おしくなって、
あなたの歌を聞くと、笑みが溢れた。

嬉しかったの。あなたが私のことを
好きでいてくれて、思春期でも
すべてが関係ないように、笑ってくれた。



つい先日、あなたは20歳になろうとしていた。
誕生日を楽しみにしていて、
ここまで立派に成長してくれた。

愛おしくなって、
思わず抱きしめてしまった。
あなたの声が聴こえると、涙も溢れた。

嬉しかったの。少しの寂しさもあれど、
あなたがここまで生きてきてくれたことが、
なによりも幸せだったの。



でも、あなたは事故に遭って、
誕生日の前日に亡くなってしまった。

「20歳になったら、
お母さんと一緒にお酒を飲むんだ!」

そう言って、あなたはこの日をずっと
楽しみに待っていたのに。




今日はあなたの誕生日。
20年、ここまで元気に生きてくれて、
ありがとうねって伝えたかった。
抱きしめて、愛おしく想いたかった。



ねぇ、あなたは何歳になったの?

どれだけ聞いても、呟いても
あなたは帰ってこない。


1/9/2026, 4:00:14 AM

「色とりどり」

暖かい日、暑い日、涼しい日、寒い日。
季節は繰り返し世界を旅する。

僕は、いつもと同じように
毎年をぼーっと過ごして、
目の前に通り過ぎていく季節を眺めている。

桜が咲いて、散って、葉が咲いて、
また散って、木は枯れて…そして、
またいつか咲く。

「いつか」「きっと」「また」
絶対じゃない言葉を叶えてくれる。

季節はいつかきっと、また同じように巡る。

今年も、来年も、去年も、一昨年も
再来年も、次の次の次、そのまた次の年も。

人が死んでも、季節は巡る。
季節は人を通り過ぎる。でも離れない。

春、夏、秋、冬。

冬が終わっても春が来る。
春が終わったら夏になる。
夏が終われば、秋になる。
秋が終わったなら、また冬になる。

人と季節は結びついている。
離れたいなら、宇宙に行くしかないのかも。

でも、こんな素敵な季節から
離れるなんてことは、したくない。


僕は、どんな季節も美しいと思った。

春に咲く花は綺麗で、
夏に咲く花は元気で、
秋に咲く花は華麗で、
冬に咲く花は存在して、


色とりどりで、美しいと。

1/7/2026, 3:22:35 PM

僕の故郷は、あまり雪が降らない。

雪が降る年もあったけど、
その年もそうでない年も、
毎回どこかの地方で大雪になったり、
全く雪が降っていなかったりするから、
世界とは面白いものだ。

雪だるまを作った日が懐かしい。
今年は吹雪のようなものを一度だけ見た。
今年は、小さな雪だるまを作ることはないだろう

…そういえば、まだ2025年を
今年の感覚で話しているが、
新年を迎えて既に1週間?ほど経っていた。

まだ僕は若いけど、年が明けることに
興味を持てなくなったかもしれない。

人間とは不思議なものだな。
きっと、大人になったらまた、
昔のはしゃぎ方を思い出すのだろう。

今は覚えていなくとも。