サメシャメ

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3/21/2023, 1:53:28 PM

二人ぼっち

雨が降る中、私たちは歩いていた
「あの、すみません」
「はい」
私が振り向くと警察官が立っていた
「あなたに窃盗罪の疑いがかけられてます。署で話を聞かせていただいてもよろしいですか?」
「ちょ、ちょっと待ってください!私は窃盗なんかしていません!」
「今日、あなたと同じ格好をした人がアクセサリー店で店員を脅していたビデオがあります」
「…………わかりました。話終わったら家に帰ってもいいなら」
「わかりました」

結局警察署まで行ってしまった

ガチャ
「え、お母さん!お父さん!なんで来たの?!」
「お前が窃盗罪の疑いがかけられているときいてね、お母さんと一緒に急いできたんだよ。お前がそんなことをすると思わなかった」
「私はどこで育て方を間違えたのかしら……」
「だから!私はしてないって!私の話を聞いてよ!」
「どちらにせよ、お前はもう犯罪者だ」
「お父さん……お母さん……なんで……なんで私のことを守ってくれないの?私、今まで頑張ってたじゃん……成績も学年トップで英検だって漢検だって2級持ってるし、学校の成績だって全部5だよ?今までこんな頑張ってたのにこんなことで私を捨てるの?」
「あのね、もう過去は変えられないのよ。変えられるのは自分と未来だけ」
「…………嫌い、大っ嫌い!お父さんもお母さんも大嫌い!もう顔も見たくない!ほっといて!」
「あのね、」
「来ないで!」
「と、とりあえず今日は終わりにしましょうか。続きはまた明日で。」
「本当にうちの娘がご迷惑をお掛けしてすみません」
「ほらいくぞ」
「…………」

ガチャ
扉を開けると同時に私は思いっきり走った

足が痛くなっても走った

限界が近づいたとき私は海にいた
「なんで……なんでみんな私の話を聞いてないのに私を悪と決めつけるの……おかしいじゃん。君もそう思わない…………そうだよね、話を聞かないで決めつけるのが悪いよね」

梅雨の海は寒かった

「明日、学校に行ったらみんな冷たい目で見るんだろうな。今吹いている冷たい風みたいな。…………こんなところから逃げ出してやろうかな」

私は海に向かって歩いた
私は逃げているんじゃない
未来の自分を追いかけるのをやめたんだ

気づけば、視界が真っ白になっていた
辺りを見回すと一人の少女が立っていた

「ねえ、ここはどこ?」
と、声をかけた
「ここはね、うちと君以外は入れない秘密の空間だよ。うちはね、今までここに一人でいたから君が来てくれてすっごく嬉しい。………だけど、ここに来たってことはもう現実には戻れないよ。引き返すなら今だけどどうするの?」
「やだ。戻りたくない。ずっとここにいたい」
「そっか。じゃあ、今からうちは独りぼっちじゃなくって二人で二人ぼっちだね」

二人ぼっちだと気が楽でいいな

ルールも二人で決めれるし
一人じゃないから寂しくない
それに、窃盗罪の疑いがかけられているとかも言われない
最初からここに来ればよかったんだ

3/12/2023, 11:28:09 AM

もっと知りたい

僕は女性に興味がない
どちらかというと男性に興味がある
そんな僕だったけれど
彼女にあってからそんな考えは変わった
どこか変わってて
なにか不思議なところがあって
他の人が持っていないような特別ななにかがあった
そんな彼女が僕は好きになった
もっと彼女を知りたい
僕は彼女に興味がある

3/8/2023, 12:19:09 PM

お金より大事なもの

俺は今、金を稼ぐ方法を探している
「……まずい、今月の家賃払えない…。何かいい仕事ないかな」
ん?なんだこれ?
「知り合いを連れてくるだけで1000万!」
「ん?い、1000万⁉」
知り合い…母さんを連れていくか
「母さん、ちょっとついてきてほしいところあるんだけど」
「わかった」
「じゃ、行こ」
誰がどう見ても怪しいバイト

ピンポーン
「知り合いを連れてくるだけで1000万円もらえるサイトを見てきました!」
「はーい、ちょっと待っててな」

ガチャ
「えっと、こっちの方が知り合いなのかな?」
「そうです」
「じゃあ、お母さんはちょっとこっちに」
「君にお金を渡したいんだけれど、今はちょっと用意できないから、5日後に君の家に渡しに行くね」
「わかりました。では、また」
「うん」

あれから5日経った
「で?今月は家賃を払えるんでしょうね⁉」
「今月こそ払えるので、もう少し待っててください」
「ほんっとにあんたたちは」
ピンポーン
「お客さんが来たので失礼します」
ガチャ

ガチャ
「お待たせしました」
「はい、これ」
「ありがとうございます。……あの、母さんは?」
「もう帰ってこないよ」
「え?」
「そのお金はお母さんの臓器を売ったときにもらったお金だよ」
「は?」
「詳しいことを聞かないそっちが悪いよね?見るからに怪しいサイトだったのに。もう僕は用がないからいくね」
ガチャ
「母さん……なんで……なんで……」

あれから家事もやりながら勉強もしている
正直、すっごく大変
母さんがいたらこんなときも励ましてくれたのに
俺はなんてことをしたんだろう……

3/7/2023, 7:58:53 AM



隣の家の親友の叶斗と学校から帰っていた
……はずだった

数日前
「今日の数学の問題難しくなかった?」
「あれ全然わかんなかった」
「だよな~。柚葉って明日空いてる?」
「まあ」
「じゃあさ、明日俺んちで一緒に数学の問題やんね?」
「えー、めんどくさい」
「終わったら一緒にゲームしよ」
「わかったよ」
「じゃ、また明日」
「バイバイ」

ガチャ
「ただいま」
「おかえりー」
「あれ?姉ちゃん、母さんは?」
「あー、急用ができたから行っちゃったよ」
「そうなんだ」
そのときだった
グラグラ
「地震かな」
グラグラ
ガッシャーン
バッターン
「これ逃げないとまずいかも!食べ物持ってくるから先に外行ってて」
「うん!」

ガチャ
「……叶斗、大丈夫なのかな」
「早くしないと家の下敷きになるよ」
「わかった……」
「避難所まで遠いし……裏山にいくよ」
「危ないんじゃないの?」
「途中で津波が来たらどうすんの!ほら、行こ」

裏山についたときには家の1階が見えなくなっていた
「はあはあ…はあはあ…はあはあ」
「あ、木口先輩」
「あ、実夏ちゃんもこっちに来たんだ。逃げてきたけど食べ物持ってくるの忘れちゃって1回家に戻ろうと思ったんだけど、もう津波が来てて……」
「私たち持ってるんで、もしよかったら食べます?」
「ありがとう」
「早く元通りになるといいんだけど……」

あれから半年がたった
どれだけ待っても隣の家には電気がつかない
そうだ、今日はあいつの誕生日だ
いつもの場所だったらユーレイになったあいつにも見えるかな
「ちょっと出掛けてくる」
ガチャ

「やっと着いたー。一緒に数学の問題やろっていってたのに約束守ってないじゃないか!約束くらい守れよ!」
ガサガサ
「え、な、なに?」
「ご飯…お腹…すいた…」
「ん?も、もしかして……か、叶斗?」
「なんで……名前?」
「僕だよ!柚葉!」
「柚葉⁉」
「今までどこにいたんだよぉ」
「だってぇ」

___これからもずっと親友でいてくれる?
                                  ___勿論!

3/5/2023, 4:43:58 AM

大好きな君に

5:30分
俺はいつものところにいた
早く来ないかな

5:37分
やっときた
今日もかわいいな~♡
……あれ?
知らない男と歩いてる
俺のものなのに
明日あの男を引き離そう

翌日
5:23分
今日は楽しみでいつもより早く来た
早く来ないかな

5:41分
あれ?
今日はあいつだけか?
まあ
あの子に見られなくてすむからいいか

「あの、少しいいですか?」
「はい?……うわぁっ!」
男の悲鳴と共に赤黒い液体が飛び散った
やったんだ……やったんだ
ジャマ者はもういなくなったんだ!
これでよかったんだ!
大好きな君を守るためにしたことなんだから
君も許してくれるよね?

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