サメシャメ

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隣の家の親友の叶斗と学校から帰っていた
……はずだった

数日前
「今日の数学の問題難しくなかった?」
「あれ全然わかんなかった」
「だよな~。柚葉って明日空いてる?」
「まあ」
「じゃあさ、明日俺んちで一緒に数学の問題やんね?」
「えー、めんどくさい」
「終わったら一緒にゲームしよ」
「わかったよ」
「じゃ、また明日」
「バイバイ」

ガチャ
「ただいま」
「おかえりー」
「あれ?姉ちゃん、母さんは?」
「あー、急用ができたから行っちゃったよ」
「そうなんだ」
そのときだった
グラグラ
「地震かな」
グラグラ
ガッシャーン
バッターン
「これ逃げないとまずいかも!食べ物持ってくるから先に外行ってて」
「うん!」

ガチャ
「……叶斗、大丈夫なのかな」
「早くしないと家の下敷きになるよ」
「わかった……」
「避難所まで遠いし……裏山にいくよ」
「危ないんじゃないの?」
「途中で津波が来たらどうすんの!ほら、行こ」

裏山についたときには家の1階が見えなくなっていた
「はあはあ…はあはあ…はあはあ」
「あ、木口先輩」
「あ、実夏ちゃんもこっちに来たんだ。逃げてきたけど食べ物持ってくるの忘れちゃって1回家に戻ろうと思ったんだけど、もう津波が来てて……」
「私たち持ってるんで、もしよかったら食べます?」
「ありがとう」
「早く元通りになるといいんだけど……」

あれから半年がたった
どれだけ待っても隣の家には電気がつかない
そうだ、今日はあいつの誕生日だ
いつもの場所だったらユーレイになったあいつにも見えるかな
「ちょっと出掛けてくる」
ガチャ

「やっと着いたー。一緒に数学の問題やろっていってたのに約束守ってないじゃないか!約束くらい守れよ!」
ガサガサ
「え、な、なに?」
「ご飯…お腹…すいた…」
「ん?も、もしかして……か、叶斗?」
「なんで……名前?」
「僕だよ!柚葉!」
「柚葉⁉」
「今までどこにいたんだよぉ」
「だってぇ」

___これからもずっと親友でいてくれる?
                                  ___勿論!

3/7/2023, 7:58:53 AM