まぁ、ぼっちですから

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10/12/2023, 10:30:16 AM

放課後

忘れもしない。
初夏の妙に蒸し暑い日の事だった。

なんとなく屋上に上がって扉を開ける。
一気に差し込む光に、しばらく視界が真っ白になった。

暫くして、周りが見えた瞬間、俺は目を見開いた。

靴を脱いで、屋上の下を見つめるショートカットで不揃いのスカートを履いた女の子がいるではないか。

助けなければ、そう思っているはずなのに体は動かない。
そんなことをしている内にも女の子は飛び下りそうだ。

動け、動け、、、、!
やっとの思いで動いた体。それと同時に女の子は振り向き、、、、笑顔。


浮遊感。浮く体。揺れる制服。目が合う。女の子。また笑顔。


何だよ、善人が救われるなんて嘘じゃッ(グシャ









良かった。引っかかってくれて私は何回目かもわからない光景を見つめ、静かに屋上を去った。



次は君かもよ?

10/11/2023, 10:14:26 AM

カーテン

シャラリと音をたてて開くカーテン。
太陽の光に照らされる白のカーテンを纏う君。

そんな君を見て、見惚れる僕。

学生時代、教室のカーテンをドレスのようにして、遊んでた君。

それを、隣に立ちたいという無謀な望みを持ちながら通りすぎてゆく僕。

実現する事は簡単だったはずなのに、態々僕を選んだ哀れな君。

哀れなんて周りに思われない位に幸せにする事を
決意する僕。

神父の言葉。誓いますの決意。カーテン、いや、ベールを纏う君。タキシードを着た僕。
涙、笑顔、拍手、祝福。

「僕たち、結婚します。」


10/10/2023, 11:09:41 AM

涙の理由

ぽたぽた、アスファルトに止めどなく水玉模様を描いてゆく君の涙。

それとは反対に真っ赤になってしまった俺の頬。

君の涙をみた瞬間、その涙の理由がどうしてもわからず内心困っていた。

理由を聞くと、俺が他の女と歩いているのを見てしまったらしい。
困ったな、俺は君一筋だと言うのに。





、、、思い出した、多分俺の妹だろう。君はどうやら勘違いしてたみたいだ。

それを聞くと、驚いたような顔をする“彼”

そう俺たちはいわゆる同性カップル。
周りには反対も賛成もされていなかった。

すぐにまた泣き出す君。

今度はすぐに、その涙の理由がわかった。

「安心、嬉しい」

涙だけでなく、顔にも浮かんでいるその気持ち。

俺は君を抱きしめ、心からの笑顔を浮かべた。


「愛してる。」

10/9/2023, 10:10:52 AM

ココロオドル

るんたった。
るんたった!
今日は不自然なくらい楽しい!

お母さんも踊りすぎて涙を流して眠っちゃった!

お父さんじゃない男の人は急いで帰ってっちゃった

外から赤い綺麗な光が照らされる。
窓から入り込んだ光が室内の赤を照らす。

視界がぼやける。
嫌だなぁ、お母さんは私の笑った顔が好きなんでしょう?
ねえ、お母さん、おきて? 私の笑顔みて、いつもみたいに笑ってよ?

おかあさん。


後日談

お母さんが亡くなった女の子、あの後亡くなったんでしょう?

かわいそうね、、、

不自然なくらいに、笑顔だったみたいよ。

そうなの?不気味ね。















「ココロオドル。るんたった♪、、、次はだれかなぁ?」

10/8/2023, 11:33:37 AM

束の間の休息

息を吐き、目を閉じる。
何故か疲れた私は動く事すら億劫になる。

部屋の外から聞こえてきたヒステリックな声。
「あんたにどれだけ金かけたと思ってる!」
「産まなきゃ良かった!!こんなやつ!!」

うるさいなぁ、こっちだって頑張ってンだよ。

「うるせぇ!!ババァ!!」
「黙ってろ!!」

こんなやり取りを、毎日聞いていると、ハムスターでも、鬱になりかけるな、、

そんなことを思いながら、ペットの私は、はむりとひまわりの種にかじりついた。

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