まぁ、ぼっちですから

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放課後

忘れもしない。
初夏の妙に蒸し暑い日の事だった。

なんとなく屋上に上がって扉を開ける。
一気に差し込む光に、しばらく視界が真っ白になった。

暫くして、周りが見えた瞬間、俺は目を見開いた。

靴を脱いで、屋上の下を見つめるショートカットで不揃いのスカートを履いた女の子がいるではないか。

助けなければ、そう思っているはずなのに体は動かない。
そんなことをしている内にも女の子は飛び下りそうだ。

動け、動け、、、、!
やっとの思いで動いた体。それと同時に女の子は振り向き、、、、笑顔。


浮遊感。浮く体。揺れる制服。目が合う。女の子。また笑顔。


何だよ、善人が救われるなんて嘘じゃッ(グシャ









良かった。引っかかってくれて私は何回目かもわからない光景を見つめ、静かに屋上を去った。



次は君かもよ?

10/12/2023, 10:30:16 AM