あの日の温もり
あの日の温もりを私はもう、感じることができない。
後悔しても遅い。どうして最後の言葉があれなのか。
私は今すぐにでも謝りたい。
声は届かない。
母は泣いてばかりだ、そんなに泣いてしまうと目が腫れるだろうに。
昨日から一睡もしていない母はここにきて永遠と謝っている。
出ない涙を流して、私は母の体を抱き締めた。
記録
私の思い出の記録は紙に綴る。
悲しかったことも楽しかったこともひとつひとつ記録する。
意味なんてないかもしれない。なぜこれを始めたのかも覚えていない。
けれど、私は今日も生きていたとか私は存在してたんだとかそういう当たり前だけど当たり前ではないそれを実感できるから何となくだけど心が踊る気がする。
あなたは誰
私は人間です。
生物で、人間という種族のうちの一人です。
ロボットではないです。
感情はあります。
血も流れています。
この顔も体も全部私。
それだけ。それが私。それだけ?私ってなに?
私は人間。人間のなに?
私は私?
私は誰?
輝き
消えないようにして。その輝きが永久に続くように。
私の太陽、私の光。貴方がいないと私は生きていけない。
でも、いつか終わりが来る。それがいつ来るのかは、わからない。
こわい。いやだ。
いつか来る終わりを私はいつまで恐れていればいい?
君の声がする
ピントが合わないカメラのような視界になった。
頬に違和感を覚えたので、そこを触ってみると自分の目からこぼれ落ちた涙であることがわかった。
あれ、俺泣いてるのか?
と、自分の状態に疑問符を浮かべながら驚いていると何処からか嗚咽が聞こえてきた。
その音をたどり声の主を見つけたと思ったら、それも自分であることに言葉も出ない。
こんなになるまでの出来事かなにかあったか?
と、またもこの自分の状態に疑問符をおいた。
気付けば辺りは暗く何も見えなくなっていた。
ここは何処だろうか。
暗いのは好きじゃないんだけど。
もうなんでも良いか。ここにいれば何も考えずに済むかもしれない。
あ、何だか眠くなってき、た
?、なんかうるさい、声が聞こえる。
誰だっけ、えーとえと、ああ、あいつか。
心配性のわりには鈍感で面白くて優しい俺の……