『夢を見ていたい』
僕のクラスには変なやつがいる。
そいつは母さんがいないんだ。
なのに母さんが朝ごはんを作ってくれたとかデタラメを言うやつ。
そのため友達は0人。
ある日、「僕の夢・願い」というお題の作文を書くことになった。
俺の夢は、死ぬまでにギネスを残すこと。
誰でもこんなこと夢に見た事あるだろ。
宿題なんてそんなに丁寧に書かなくていいんだ。
でも、あいつは1人教室に残って黙々と鉛筆を動かしていた。
僕は呆れていた。
提出日。
僕はあいつがどんな事を書いているかが気になった。
覗いてみると、そこには「お母さんが居ていたら。」
と書かれていた。
最後の行には「親がいるのは当たり前じゃない。」と。
そうだ。いつ両親が亡くなるか分からないんだ。
あいつは小さい頃に味わったんだ。
夢見たっていいだろう。
僕はそう思った。
〜 春 〜
僕は卒業文集に「夢を見ていたい」そういう文章を書いた。
僕の心に響いたんだ。あいつの作文が。
〈フィクション〉
『ずっとこのまま』
ずっと子供のままでいたい。
ずっと親友で居続けたい。
ずっと冬のままがいい。
ずっとこの先生がいい。
ずっと笑っていたい。
ずっと平和でいて欲しい。
卒業式。
友達と「一緒にずっとこのままがいいのにね」と顔を見合せ泣いた。
私たちは常に進んでいる。
立ち止まって良いところなどないのかもしれない。
『寒さが身に染みて』
悲しいことがあると、風が強く感じる。
冬は嫌いだ。
私の心を凍らすように悲しませる。
私が悪いのに冬のせいにしたくなる。
「あんた、冬嫌いって言ってたよね。
うちは好きだよ。
嫌なことがあったら、母のように、私を包んでくれる。冷たいけど、根は優しいと思うの。」
友達がそう言ってたのを不意に思い出す。
優しさを受け取る側が無視してたら意味ないよね。
寒さが身に染みる。
でも、寒いから私はいま目を覚ますことが出来た。
風は味方だ。
〈フィクション〉
『20歳』
私は今、社会に旅立とうとしている。
1人で自由に生きれるんだ。
だけど、少し寂しい。
人に頼ることが当たり前じゃ無くなった。
1人で物事をこなすのが当たり前。
それが出来ないのは落ちこぼれ。
本当の味方が分からなくなる。
人間に、完璧にできている人なんていない。
なのに、平等・公平・お金・幸せを求める。
大人になって学んだことがいっぱいある。
新しい挑戦をしないと、未来には進めない。
平和を願い、我慢をするんだ。
そして、人に流されてはいけない。
本当の意見を伝えるんだ。
そうすることで、みんなの不満は減るだろう。
自己中心にならない。
これが20歳になった私への試練だ。
まだ、20歳なんてかなわない。
上には上がいる。
不安を持たず、立ち向かっていくのが大事なのかもしれない。
〈フィクション〉
『三日月』
私ってないもできないんだな。
そう落ち込んで月を見る。
なんの才能もないのに努力も出来ない私。
そんな昔の私に、おばあちゃんは教えてくれた。
「月は太陽の力を借りて光っているんだよ。
だから自分で自立できるだけめいいっぱい友達に頼っていいんだよ。そしたらほら、月は地球を支えてくれているだろ、貴方にも支える人ができるよ。」
あの頃は何を言っているか全然分からなかったけど、今なら分かる気がする。
今日は三日月。
欠けているところが沢山あるけど、どんどん成長していくんだ。
そしてその姿を「綺麗・すごい」と言ってくれる人がいる。
人間ってこうゆうもんだろ