好きだよ
世界線a21
好きで好きで堪らない
よくそんな甘い言葉を言ってくる
私には理解出来なかった。私はあなたの腕を切り落としたのになんでそんな事が言えるのだと。いっそ責めてくれればいいのに···
彼女の事が好きだ
腕を切り落とされた瞬間運命だと確信した。でも女心って難しい。好きと言っても花束を送っても彼女は悲しそうな顔しかしない。そんな顔も好きだけど笑顔の君も好きなんだよ。
だから何度も言ってあげる
好きだよって
桜
桜は海外では汚い色だと思う人がいるらしい。
これが文化の違いなのだろう。けれどイタリア出身の妻は笑って「キレイ!」そう言って桜を見ているから文化の違いも越えられるんだなと思った
君と
君と全てをしたい
恋愛も結婚も新婚旅行も子作りも全部
そう言ったら君は泣きながら
「じゃあ何で私を置いっていったの?」
ごめんね、置いていくつもりなかったんだよ
「約束したのに」
うん···破ってごめんね
「私の事看取るって言ったのに何で私があなたの事看取るのよ···」
······ごめん·····せめてこの言葉だけでも届いたらいいのに
空に向かって
よく空に向かって話しかけているおばさんがこの団地にはいる。みんな怖がって話しかけないけど僕は1度だけ話していた内容を聞いてしまった。おばさんは確かに「ゆうこちゃん、お母さんは今日も元気だよ」そう言ってた。そのゆうこちゃんとやらは知らないがきっとおばさんにとって大切な人だったんだと思う。だって空に向かって話しかけるおばさんの顔はいつも悲しそうながらに穏やかな顔なんだ
はじめまして
いつも最初にはじめましてと言う
だって私は覚えてないから。私は病気のせいで記憶が曖昧になってその日会った人の事を忘れてしまう。でもそんなある日知らない男が私に声をかけてきた。私は前に会った人なのかなと思っていつも通りはじめましてと言うと男は少しだけ寂しい顔をしてはじめましてと返してくれた。その男は私とお揃いの指輪が嵌められていた