鏡を見る
これは自分だ。
鏡を見る
これは誰だ?
鏡を見る
自分だった人が写っている。
鏡を見る
元に戻った自分だ。
鏡を見る
醜くて直視出来ない。
鏡を見る
やっぱり自分だ。
自分は1日に色んな姿を操る、
今日の貴方はどんな自分?
此処は小さな喫茶店
今日は可愛いお婆さんがご来店してくれました。
「お紅茶を2杯くれるかい?」
「かしこまりました。」
お婆さんは1人で来ているのに、
何故2杯なのだろうか、
そんなことを考えながら紅茶を淹れていると
その答えはすぐに分かった。
「実は先日、
お爺さんが亡くなってしまいまして…。
お爺さんはお紅茶が大好きだったんです、
特にお紅茶の香りが好きらしくて、
だから私の分とお爺さんの分で2人分、
1杯残してしまうことを、どうかお許し下さい。」
可愛いお婆さんは丁寧にそう説明した。
紅茶を淹れている間、
店内にはジャズの音色だけが響き渡っていた。
「こちら、お紅茶でございます。」
「………とても、いい香りですね。」
「お願い……!
私を置いていかないでッ!」
叫ぶ、
喉が掠れて、顔は液体でぐちゃぐちゃだ、
うちの夫は仕事で忙しい人だ、
生憎子供にも恵まれず、
寂しかったんだ、
友達は毎日夫や子供とお出かけへ行ったり、
毎日とても楽しそうだ。
誰も私にかまってくれない。
酷いよ、酷いじゃない。
「なんで周りばっかり幸せになって
私ばっかり不幸にならないといけないのよッ!!」
夫は大金を持って、
私の知らない場所へ逃げていった。
もう二度と、元夫には会えない。
愛しの彼も、浮気がバレてから
連絡先も変えてどこかへ逃げた。
私の手元に残ったのは膨大な借金。
私はただ、誰かに愛して欲しかっただけなのに…。
お願いします……。
もう誰も私の元から……
「離れて行かないで。」
「このミニスカートともお別れか……。」
これから寒い季節がやってくる。
しばらくお気に入りのミニスカートともお別れ
世の中の女の子は気温などお構い無しに
可愛いミニスカートを履いて外に出かけるが
自分はと言うと冷えやすいからそんなことはしない。
お気に入りだったんだけどね……。
まぁ来年までさよならだね。
「俺の可愛いミニスカート」
僕には双子の兄がいる。
兄はスポーツでも勉強でも何でも出来る。
僕とは正反対だ、
そんな僕と兄だから
意見のすれ違いなんて日常茶飯事だ。
兄は僕に言うんだ、
「俺に出来たんだからお前にも出来る。」
冗談じゃない、それは才能持つ者が言うセリフだ。
天才に、僕の気持ちなんて分からない。
俺には双子の弟がいる。
弟は俺の事を天才だと言う。
そんなことはないのに、
俺はただ、アイツらを見返したくて、
その一心でここまで来れた。
だからアイツにも出来るはずなんだ。
兄弟なのに、俺の頑張りが伝わっていないのだ。