10/8/2024, 12:15:16 PM
6.束の間の休息
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逃げ潜む 土木に埋もれ錆びた廃墟は
人間の香りに元気を取り戻すことなく
怯える体を 鉄の匂いで包んでやる
示し合わせた轍
閃光が焼く故郷
硝煙臭い雑魚寝
10/7/2024, 12:06:03 PM
5.力を込めて
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手首から力を込めて
握り殺す 気の毒なエゴは
目の前にすら吐き出せず
掌には紫の爪の跡
10/6/2024, 11:05:16 AM
4.過ぎた日を思う
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いくら美化したところで
今の私でしかないのだ
悲しくも今を構成する
たらしめる要素でしかない
10/5/2024, 11:12:02 AM
3.星座
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コートを羽織るよう急かす風は
見上げた空の不純物をはらう
肺を充満させる冷えた空気は
少しばかり温めてから返す
天体観測というには大袈裟な
知らない私には贅沢すぎる
美しいことはわかるつもり
えも知れぬ何かを願い見る
こざかしい視線は
どこかに生きる星々を追う
地球では燃えて消える彼らの命を
線でつなぎ 何世紀にもわたり
神話の主人公する事にしている
作り話が彼らの輝きをもって
半分は現実に
地球もそちらでは
何らかの星座として輝き
何らかの神話の一部になれたら
私も星座の一部だなんて
こざかしい視線を落とし
冷えた手をこすり
愉快に踵を返す
10/4/2024, 11:41:58 AM
2.踊りませんか?
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あなたにピントを合わせ
瞳孔に光が転がる
まつ毛の奥がおどった
全身を駆けめぐる信号が
私を駆り立てる
集約された興奮で
鼓動が跳ねておどった
目が離せずに
内側で隆起した衝動が
吹き出すことを自然に
最後に唇がおどった
私と踊りませんか?