【イルミネーション】
吐き出した息の先に見える景色が
カラフルに彩られて冬を装う
冷えた風が身体を通り抜けるほどに心も浮ついて
明るい通りを選ぶ人に混ざって進む
夜空の星を映したよな輝きに
きみの声を重ね
きみが居るあの地に想いを馳せる
2024-12-15
【愛を注いで】
空っぽのガラス瓶に
自分の宝物を詰め込むなら
ガラス瓶の形が個性で
作られていく層はその人の人生なんだろう
僕のガラス瓶はへそ曲がりで
とても水なんか貯められないものだろうけど
きみ一色に詰まった中身はきっと誰にも負けない
輝きがあると思うんだ
2024-12-13
【心と心】
好きだよと言うたびに
伝わらず跳ね返ってくるこの言葉は
形の無い姿に変えて
電子のカケラに作り変えて
きみがわかるモノで
きみが触れられるモノで
残しておくから
今は理解できなくて
必要のないその気持ちも
いつか寂しく感じた時に
どうかそばに置いておいて
2024-12-12
【何でもないフリ】
いつしかきみは有名になって
いわゆる”幸せ”な人の目に映るようになって
消費するような浅はかな人が溢れかえった
あの自由な場所に人が押し寄せて
今まで作った砂のお城もダンボールの遊具も
踏みつけられて壊されるのを
僕はただ眺めるしか出来なかった
まだこの場を守れるほど力が強く無いから
必死に何でもないフリをして
小さくなった自由な遊び場で
過去の栄光を象って模って
ここを忘れてしまったら
きみの根本が崩されて気がしてしまうから
僕が力を付けるまでは必死に汚いものから
目を逸らすことで何とかやり過ごすしかないのです
2024-12-11
【仲間】
顔も声も姿も知らない
透明人間のようだけど
向こうにとっても同じように映っているだろう
直接会ったこともないし
歳もなにも知らない誰かなのに
僕の知る誰よりも本当の言葉で喋っていて
好きも嫌いもバラバラなのに
おんなじ音で感じる根本が同じだから
繕った綺麗事よりも素直に受け入れられるんだ
2024-12-10