ミロワール

Open App
12/9/2024, 12:29:22 PM

【手を繋いで】

凍えた手のひらで目を覆って

自分から流れていく涙を止めながら

歪んでいく世界から目を逸らそうとした

僕の手は初めから何も乗っていなかったから

地面と水平にしたって何も減らないし

そもそもこんな僕を誰も見てはいなかった

そうやって現実逃避する手段しか無いと思ってたから

だけど覆った隙間から漏れ出す光が

楽しげで思わず長らく顔に引っ付いていた手を解くと

すかさず光り輝くきみの手が僕の手を攫っていって

こんな雪降るような寒い日に

震えた僕の手よりも暖かくって

顔には出せなかったけど

すごく安心したんだ



2024-12-09

12/8/2024, 1:31:59 PM

【ありがとう、ごめんね】

いつも貰ってばっかりいて

ありがとうが募っていって

それと同じくらいの返せない自分が

不甲斐なくって

ごめんねの海も深くなってく

そろそろこんな毎日を終わらせなくっちゃ

きみの為にまだ動いていたいから



2024-12-08

12/7/2024, 2:18:40 PM

【部屋の隅で】

少し長さが足りないカーテン

その隙間から冷気が流れて床を這って足元を冷やす

部屋の端に追いやったピアノの埃を払って

久々の鍵盤の感触をたのしんだ後

嫌いだった自分の音を変える為に

ひたすらにきみを想う音に相応しくなるように

僕の世界の全てであるこの部屋で

世界を変える音色を



2024-12-07

12/6/2024, 1:40:58 PM

【逆さま】

お日様の光が届く世界で独り影を伸ばすけど

創られた光が届く場所で1人ただ輝く存在を見つけた

暗い場所を見つけるのが、作るのが上手だと思ってた

それが孤独だと寂しいと思ったことは無かったけど

指さされて居場所が無かった僕の陰は

きみのそばにある為に必要だったんだ

逆さまで一生きみに触れられないのだとしても

初めて必要とされ

初めて見つけた僕の場所



2024-12-06

12/5/2024, 12:55:12 PM

【眠れないほど】

窓の外から聞こえる音が静かになって

タイピング音が部屋の中にやけに響いて聞こえる

カーテンの隙間から覗く星に

聴かせるように口遊むメロディが

僕を椅子へくくり付ける

夢の中でしか自由に出来なかった少年が

今は手のひらの中で世界を創れるようになったから

眠れないほどきみに夢中になるのも無理はないのです



2024-12-05

Next