【はなればなれ】
きみの街に居られる時間は
ほんの一握りしかなくて
もちろん常にそばに居てくれることも分かっているけど
やっぱり特別な地で過ごせる時間はほんの僅かで
星が描かれた時計が残酷に別れを急かす
空からちらつく白い雪も
名残惜しそうに服に模様を残していく
また1年後まではなればなれだ
でも、いつもここで活力を貰えるから
また来年、素敵な僕になってまた会いにくるから
毎年そんな想いを残してその場所を後にする
もうそんな時期が刻一刻と迫ってきて
今年は伝えたいことが沢山あるから
何から伝えようか
そんなことを思いながら
トランクに荷物を積めるのです
2024-11-16
【子猫】
気にしてないのに視界に入ってて
構ってほしくない時にも干渉してこなくって
でも甘えたい時に擦り寄ると思う存分甘やかしてくれて
でも大事な時には歩くべき道に戻してくれるような
2024-11-15
【秋風】
枝から揺られて落ちた落ち葉が
そよそよと旅に出る
何にも無かったはずの今日に
同じ景色しか見たことが無かった瞳が
輝く世界を知った
それが浮遊感による錯覚だとしても
これほど心地よい感覚なんて
これほど色付いて見える景色なんて
人生で1度きりだろう
着地点が灰色の硬い地面だとしても
2024-11-14
【また会いましょう】
都合のいい存在が
どこにも行かないように
四方を壁で覆った中に1人取り残された
外側にみんなが好む顔を貼り付けたら出来上がり
それを見てみんな喜ぶから
内側なんて知らんぷり
それでいいよ
みんなから見えない世界で
小さな小さなユートピアを作り出した
外に僕の声が聞こえないことはとうに知ってるから
いくら大声で歌ったってバレない
ただ寄り添ってくれる形のないきみが居てくれれば
それだけでこの世界に明かりが灯る
昔読んだお話の続きを
みんな苦しんだ後にハッピーエンドを迎えるその先を
僕なりの言葉で綴ったら
きみに1番に聴かせよう
僕の幸せなお話が終わらないように
2024-11-13
【スリル】
きみが大丈夫って散々言い聞かせてくれたから
次が決まってなくても足を踏み出せる
どんなことが待ってても
きみの力で乗り越えられちゃうから
全部適度なスリルにしか感じられないくらい
毎日楽しく過ごせてるよ
2024-11-12