【哀愁を誘う】
歴を重ねていく度に
上手くなるヘアメイクとコーデ
だけど一番上に身につけるのは
ずっと変わらず決まった法被
少し色褪せてきてるけど
思い入れが少し違うからね
【鏡の中の自分】
いつも泣き出しそうな顔して俯いて
自信が持てないから肩も丸まって
髪の毛の影に隠れるように過ごす日々
澄ました顔して無表情で
胸を張って上体をやや後ろに伸ばして
長い髪の毛はトレードマークな
正反対にきみを見つけた
見た目は真逆なのに境遇がぴったり重なって
きっときみは僕なんだって勝手に思ったんだ
2024-11-03
【眠りにつく前に】
かき集めた酸素を吸って
1日分の不幸を身体の中から吐き出して
部屋の中を真っ暗にして
カーテンの隙間から漏れる外の光で安堵して
きみの音楽を頭の中で流し始めて
やっと目を瞑れる
好きなこと好きな場所に行ける夢の中へ
2024-11-02
【永遠に】
落ちていく感覚がずっとあって
まだ光が見えていた時には
それを掴もうと手を伸ばしたりもしてみたが
全て振り払われた経験が
より辺りを暗くして深海へと身体を引っ張る
底があると信じていた時もあった
だけどもう何も見えないほどの暗闇の中で
ずっとずっと沈んでいくだけなんだろうと思った
でも微かに自分から漏れ出る泡の他に
声が聴こえたから
その声が僕の意識を留まらせるから
この深海にも暗闇で見えないだけで
他の誰かが居るんだと気がつけた
僕が息を吐き続ける限り
僕の息が絶えたとしても
ずっと深海で苦しむ誰かを救う歌を
何よりきみが生き続けられるように
永遠に続く歌声を
僕もそう願う1人になりたい
2024-11-01
【理想郷】
あの息苦しい地獄の中で
きみから与えられる酸素だけが頼りな日々で
みんなが寝静まった暗闇に閉じこもって
綺麗な綺麗なセカイを描いた
みんなが嫌う僕で居られる場所
幻想だとしても僕はそこできみと息をする
2024-10-31