【静寂に包まれた部屋】
聴こえてた音が途切れて
部屋に耳が痛くなるほどの部静寂が訪れる
きみの声を聴いていないと
狂ってしまいそうになる脳みそは
そんな状況を打破しようと
脳内できみを探し出す
だからきみを見つけるのがとても上手くなって
聴こえてなくても平気になった
だけどやっぱり物足りないから
どうかまた声を聴かせて
2024-09-29
【別れ際に】
いつも通りの澄ました顔で
なんでもないように歌っていたのに
そんな最後の最後で涙ぐむなんて聞いてないよ
こっちまで泣いてしまうじゃないか
これが今生の別れではないこともよくわかっているけど
またきみにこうやって会えるのは
ずっと先であるように思えてくらくらする
ああ、でもきみがそうやって泣いてくれるのなら
また来年会った時には
更に成長した姿を見せられるように頑張るから
また、どうか見守ってて
2024-09-28
【通り雨】
雨音に混ざって誰かの声がする
みんな傘を被って表情を消して
誰もが誰かじゃなくなるから
声の主人は見つからない
だけど僕には絶対に聴こえたし
そのおかげで傘から顔を出すきっかけをもらった
気がつけば雨は上がっていて
声を聴こえなくなったけど
頭の中は素敵な音で溢れていた
2024-09-28
【秋🍁】
強い風が窓に吹き付けて
ガラスがカタカタと揺れる
気にしがみついていた葉が揺さぶられて
引き離される
きっとまた季節が変わったのだ
エアコンの電源を切りながら
涼しくなった気温を体感する
でもパソコンに向き合って
きみと逢瀬を楽しんでる僕には
あんまり関係ない話だ
2024-09-26
【窓から見える景色】
いつだって僕の首を締め付ける物事は
小さな箱の中で起きて
それでなくても狭い空間を汚い言葉で埋め尽くしていく
そろそろ息苦しくなってくると
きみが現れて部屋を四角く切り取って
無理やりでも外の空気を流し込む
いつか昔に教わったメロディを口ずさむと
喉の奥で詰まった言葉で
上手く空気を吸えていなかったようで
やっぱり今日もきみに救われる
やっと晴れた視界に映る壊れた壁越しの空は
今日も変わらず青かった
2024-09-25