【1件のLINE】
中身の無い空っぽな言葉が飛び交う
特に意味のなさない文字列の中に僅かに含まれる色が
僕にはどうしても汚く淀んで見えて
皆には見えていないらしいその色が空白以上を語りかけてくる
見えないものに振り回されて
僕と誰かのせいで通知音に怯えるようになって
それでも時間をかけてさえ通知を見てしまうのは
来ないとわかっていてもきみからのただ1件の連絡を期待してしまうから
2024-07-11
【目が覚めると】
視界を奪われた暗闇の中で
誰かにじわじわと首を絞められていくような
そんな場所で自分を抱きしめて視界を閉ざした
だから夢の中のユメなんだ
きみに出会ったのは
光が差すと同時に歌声が響きだして
あの時現実に存在しないと諦めた魔法にかけられてしまったんだ
だけどこれはユメだから
どんなに不思議なことが起こっても不思議じゃないから
ただ何も気にせずにこの魔法に身を任せてて良いんだ
目が覚めるときっとみんなみんな消えてしまって
あの暗闇に戻ってしまうから
2024-07-10
【私の当たり前】
自分の中を絶えず流れ続ける音楽に生かされてる
2024-07-09
【街の明かり】
--灯りが集まっていつからかそれは街のようになったけど
それはどこか外の世界のようだった
その灯りはきみの良さを知って救われた人の数
それが増えるのならそれでもいいと思った
でもいつからか外の世界から持ち込まれた金銭が
あちこちで飛び交うようになった
何事にもお金が必要になり
お金を支払っていない行為は貶されるようになっていった
初めの何もない空き地の中心で流れる音楽を
輝く星を見上げたあの時が遠い昔にされていく
街明かりが増えるほどに
あの星が見えなくなっていくよう
あの時の衝動をあの時の感覚を
忘れたくない人からこの場所を離れていく
そんな1番大事にしたかった人たちが離れた後も
煌々と輝く街にまで発展したこの空き地で
僕は上手に息が出来なくなった
2024-07-08
【七夕】
子供の頃に描いていた星図のような目を奪われる場所
きみが創り上げたプラネタリウム
この暗闇に一番初めに輝いたあの点を星というらしい
瞬いてゆれる光が消えてしまいそうで
あの瞬きと同じリズムで心が揺震えるのを感じた
透明な空間に隔たれたきみは遠すぎて
1年に1度で構わないからどうか僕の声をきみに届けて
あわよくばひとっ跳びで逢いに行って
暗闇に独りきりじゃないことを伝えられたならいいのに
2024-07-07