窓越しに見えるのは
俺は新潟の田舎から都会東京へ上京した
家族にもすげー迷惑かけた
お袋は泣いて止めた
親父に戻ってこれる時は戻ってこいって言われてたけど
東京での仕事が忙しく中々帰れてなかった
上京して5年が経ち プライベートや仕事も目まぐるしくも充実した毎日を送っていた
車もちょっといいの買ったりしてみた
そんな時1本の電話が…
親父からだった お袋が倒れたと
急遽仕事を変わってもらい
彼女にも連絡して
俺は焦る気持ちを抑えて新幹線へ乗った
あれほど都会だったのに1時間も走ると瞬く間に田園と緑が広がってた
無性に俺は寂しくなって気づいたら1粒の涙が頬を伝う
俺はこの景色のもと 少し厳しい母と少し優しい父、面倒見のいい兄貴に囲まれて生きてきた
流れゆく景色が一瞬真っ暗闇に、トンネルだ
途端に悲しい顔をした俺が窓に映っていた
あれ?俺こんな顔だっけ?
焦りと不安が交差する心に
落ち着け、落ち着けと言い聞かせた
新幹線が新潟に到着すると俺は焦る気持ちを抑えてホームを出る
深く深呼吸し、タクシーで病院へと向かった
病室へ入るとお袋は色んな機械が繋がれていた
脳梗塞だった...ベットの横でボーとお袋を見つめる疲れきった親父がそう言った
お袋、親父、兄貴ゴメン帰れなくて!俺は心の底から謝った
入道雲
あ!この雲わたあめみたい
すぐ後ろを歩いてた2歳くらいの子がそう言った
そう言えばこの雲が見られるのも夏の間だけなんだなぁ
なんだか無性にわたあめが食べたくなった私は
わたあめ屋さんに入っていった
ここではないどこか
にいに、元気かな...
今何してるんだろ?
北海道で夢叶えるって言ってたけど...
今沖縄は梅雨明けて毎日暑いよ
北海道も暑いかな?
大切な人はできた?
今日ね学校のテストでいい点取れなくて悔しかった
にいにが家に居れば、また頑張ればいいよって言ったかな?
にいに会いたいな
繊細な花
花は昔大好きだった
特にユーフォルビアの花
あの人が好きだったから
あの人が好きな物を気づいたら好きになっていた
出会った頃は趣味が一緒だったから仲良くなれた
色んなところにも出かけた
色んな違いも見れた
一緒に暮らすことになったらお互いの嫌いな部分も見えてきたんだ
価値観が違った 喧嘩が増えた
ダメだってわかってても一度キライになってしまったら
もう戻れない
別れてしまった今、あの人が好きだった花は嫌いになってしまった
見るだけで辛い
ユーフォルビアの花をもう好きになれない...
あの人を思い出してしまうから
1年後
1年後の今は何してるんだろ
明日の自分も分からないのに
また目の前が不安になる