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窓越しに見えるのは

俺は新潟の田舎から都会東京へ上京した
家族にもすげー迷惑かけた
お袋は泣いて止めた
親父に戻ってこれる時は戻ってこいって言われてたけど
東京での仕事が忙しく中々帰れてなかった

上京して5年が経ち プライベートや仕事も目まぐるしくも充実した毎日を送っていた
車もちょっといいの買ったりしてみた
そんな時1本の電話が…

親父からだった お袋が倒れたと
急遽仕事を変わってもらい
彼女にも連絡して
俺は焦る気持ちを抑えて新幹線へ乗った

あれほど都会だったのに1時間も走ると瞬く間に田園と緑が広がってた
無性に俺は寂しくなって気づいたら1粒の涙が頬を伝う
俺はこの景色のもと 少し厳しい母と少し優しい父、面倒見のいい兄貴に囲まれて生きてきた
流れゆく景色が一瞬真っ暗闇に、トンネルだ
途端に悲しい顔をした俺が窓に映っていた

あれ?俺こんな顔だっけ?
焦りと不安が交差する心に
落ち着け、落ち着けと言い聞かせた

新幹線が新潟に到着すると俺は焦る気持ちを抑えてホームを出る
深く深呼吸し、タクシーで病院へと向かった

病室へ入るとお袋は色んな機械が繋がれていた
脳梗塞だった...ベットの横でボーとお袋を見つめる疲れきった親父がそう言った
お袋、親父、兄貴ゴメン帰れなくて!俺は心の底から謝った

7/1/2024, 12:33:16 PM