題:「好き嫌い」
あたしはアイツがキライだ
俺はあの子が好きだ
告白されたけど、断った
あたしはアイツをよく知らないから
緊張しながら告白したのにフラれた
分かってはいたことだけど
でも、何でだろ
あたしはいつの間にか、見かけたアイツを目で追ってる
何だろう
フラれたのに、妙に視線を感じる
ますますあの子を好きになってしまう
『あっ』
そうか、嫌いだったアイツの事が好きになってるんだ
もしかして、まだあの子に告白するチャンスがあるのだろうか?
2024年6月12日
SIVA5052
題:「街」
アスファルトの照り返しで、暑さ増す季節。
俺は新天地を目指していた。
垂れる汗を拭きながら、見る街並み。
規則正しく並んでいるビル群の間に真っ直ぐに伸びている道。
「気に入った」
『Welcome!!○×CITY』
看板に書かれている文字に親指を立て、口角をあげ、一歩踏み出す。
新しい生活、新しい街。
新しい出会いの予感がする。
2024年6月11日
SIVA5052
題:「朝日の温もり」
窓に差し込む朝日でゆっくりと瞼を開ける
暖かく柔らかい日差しがゆっくりと頬を撫でていく
伸ばした腕にも朝日の温もりを感じ、そっと身をよじる
違った
これは君の温もりだ
ようやく手に入れたこの暖かな温もりは、窓から差し込む、朝日の温もりと同じだった
2024年6月9日
SIVA5052
題:「岐路」
俺の人生なんて。
いつの間にか、毎日同じ事の繰り返し。
「つまらない」
そんな言葉で片付けたくはない。
俺の人生なんて。
でも何かをやりたい。
目標?やる気?憧れ?
俺にもできた。
小さな事だけど。
こんな俺にもほんの小さな希望が。
「岐路に立つ」
いつもの俺のままでいるのか。
新しい事を始め、イキイキとした俺を見るか。
細く長い道がふたつ。
俺の前にある。
踏み出そう。一歩。
未来はある。自分で切り開け。
2024年6月8日
SIVA5052
題:「世界の終わりに君と」
「明日世界が終わるとしたら、真斗はどう過ごす?」
唐突に問われた僕は、机の上に置かれてあるノートから目を離すことが出来なくなった。
前の席で体をこちらに向け、背もたれに腕を乗せて、椅子を傾けながらそう質問してきたのは、サラリとした肩まである黒髪を邪魔そうに後ろにやりながら、小首を傾げている風花。
「なんだって?」
意味はわかっていたものの、あまりの唐突さにそう質問を返さずにはいられなかった。
「だーかーらー、明日世界は亡びます!ってなったら、真斗はどう過ごすの?真斗は真面目くんだから、そんな時でも勉強してるのかな?」
冗談めかして人差し指をこちらに向けてくる。
「世界が明日終わるならねー……」
手を止めて、チラリと風花に目をやると、彼女とバチっと視線が合った。
黒く大きな瞳がこちらを真っ直ぐに見つめてくる。
早く答えを言わないと。
「僕ならいつも通り、ふつーに過ごすよ」
「はい?」
「いつも通り、君とおしゃべりして、一緒に帰って家に送ってく」
「えっ」
「あ、でも、世界が終わっちゃうなら、送ってしまったら君を守れないから、一緒にいるかもしれないな。だとすると────」
そこまで話していると、風花の手が目の前まで伸びてきた。
「なんだよ。どうした?」
「……は、恥ずかしくなるからやめ、て」
上がっている手で目の前の顔が見えなくなり、顔を横に傾けると、耳まで真っ赤になっている風花の姿があった。
2024年6月8日
SIVA5052