遠くで声が聞こえる
あれは、誰の声か
辺りは、静まりかえって声が聞こえるはずもない
だが、確かに声が聞こえた
「助けてください」
「奇跡があったら」
「神様」
神様もこんな時ばかり大変だなぁ
そんな事考えながら
あぁ…そうか
大切な人が旅立とうとしてる
此は、心の叫びだ…
手を握り語りかけるあの日の記憶
そんな、記憶を静に語りかける
聞こえているだろか?
こんなにも、あなたは、愛されていた
あなたの手に涙の雫がこぼれている
愛されていたあなたの為に溢された
雫
ある人は、お金があれば何もいらないといい
ある人は、命さえあれば何もいらないという
また、ある人は、命さえいらないという
人は、傲慢でありまた、私も傲慢である
全てが欲しいと思えば全てを喪い
喪ったと嘆けば心さえ死に絶える
自分は、何の為に産まれたのか
命さえいらないと思う事もあった
何もいらない、必要とされてないと
思い生きてきた中であなたに、出逢えた
あなたさえ、笑顔でいてくれるなら
今の私は、何もいらないと思える
その奇跡に感謝を
もしも未来がみれるなら
私の大切な人達が幸せに暮らしているから
知りたい
もしも未来がみれるなら、自然災害がないか
大切な人達が傷付かないか知りたい
もしも未来がみれるなら戦争がおきないか
知りたい
みんなが幸せに暮らす事は、理想でしかないかも知れない
ただ、少しでも心が豊かな人生を送ってほしい
今日は、どんな1日でしたか?
楽しい1日でしたか?
悲しい1日だったでしょうか?
毎日は、目まぐるしく過ぎていくね
時には、忙しさに自分の心を置き去りに
仕事に励んでみたり
自分は、何をやってもまともに出来ないと
悲しみにくれたり
そんな毎日をみんな必死に生きている
明日がどうなるかも分からないし
急に病気にもなることもあるかも知れない
ほんの少しの事で人生は、大きく変わるかも知れない
毎日、少しでも心が豊かに過ごせたら
毎日、少しでも笑顔が増えたら
毎日、少しでも声をあげて笑えたら
きっと、色褪せた、心の世界も
色鮮やかになっていくんだろうね
今日は、色がない日でも
明日の私は、水色に見えたり
明後日の私は、黄色に見えたり
そして、いつか虹色のような気持ちで
みんなが毎日を、過ごせたら
素敵だなぁ
みんなの心が今日も明日も、色彩溢れる
毎日でありますように…
時の記憶を遡る
あなたは、穏やかなところがありながらも
躾には、厳しく時には、怖く感じる事も
あった…
曾祖母に厳しく育てられたあなたは、
戦争の大変さも知っていた
多くは、話さなかったが時々、ポツリと
溢す言葉の端々に当時の悲惨さを
感じる事が出来た
今は、食べる物に苦労がない
疎開する事もない
親と離れる事もない
大切な人が戦争で亡くなる事もない
そう言っていたあなた
自分に厳しく人には、優しく
時に、私には、親であり
時に、私には、親友のようであり
時に、私の最大の理解者であったあなた
存在に救われたのは、言うまでもない
そんなあなたは、病気になっても痛いとも言わなかった
心配をかけず大丈夫だと言うばかり
最後の時、きっと本人は自分の体がもう長くないと
悟ったのかも知れない
私、帰れないのかな?
気休めの言葉、きっと帰れる大丈夫、大丈夫
そんなありきたりの言葉だけで精一杯で
ごめんなさい
本当の事は、言えなかった
あなたが、最後にみたいと言ったのは
病院の側にある桜並木と菜の花
凄く綺麗で 凄く寂しかった
花びらが舞う度にあなたの命も舞い上がって行くようで
あなたが居なくなったあの時に見た桜とは、
違うが今年もまた、この季節が巡ってきた
きっとあなたも、この景色を見ているのだろう
桜散るこの景色を
あなたの心が春のように穏やかな気持ちでありますように…