「子供のように」
いつから子供じゃなくなった?
いつから大人になった?
「カーテン」
放課後の教室
淡い光の中
カーテン越しに
ふたりのシルエット
秘密の戯れ
悪戯に風がそよぎ
カーテン舞う
僕の恋は散った
「涙の理由」
私は子供の頃からよく泣く子であった
自分でもわからないのだ
何故そんなにも泣けるのか
いつも泣きたくて泣いているわけではない
勝手に涙がでてくるのだ
とくに怒りと涙がセットになってるのは厄介だ
相手にバカにされるのだ
怒るか泣くかどっちかにしろと言われるのだ
私だってそうしたいのだ
だけど涙は引っ込んではくれない
大人になった今も相変わらず
私は涙とお友達なのだ
いつか涙が底をつく日がくるんじゃないかと思う
そんな日がきたら
私はきっとこう言うだろう
「涙君さようなら」
そして、最後の涙を流すだろう
「ココロオドル」
お目当てのTシャツがセールになっていた
在庫1
急いで買い物かごへポチっ
去年、欲しかったカラーのニットが今年も販売されだした
しかもタイムセール中
残りわずか
急いで買い物かごへポチっ
秋冬のファッションが1番好き
今年は、ちょっと冒険してみよう
いつもは選ばないカラーに挑戦だ
「束の間の休息」
窓を強く叩く雨の音
本を閉じる
随分と遠くまで行ってしまっていたようだ
物語の深い処にいた私を
雨音に引き戻された
少し休もう
甘いココアを入れたマグカップをテーブルに置き
窓の外に目を向ける
雨は先程より弱く、静かに地面を濡らしている
テーブルに目を向ける
ココアを入れたマグカップがない
「あれ?」
雨音がまた窓を叩くように強くなる
ページをめくる音がする
物語の世界でも雨が降りだしている
私はまだ物語の世界から抜け出していないのか?
本を閉じる
窓の外を見る
雨が降っている
テーブルの上を見る
マグカップに入ったココアがある
私はマグカップを手にとり
ゆっくりとココアを飲み
ホッと一息ついた