3/18/2024, 1:31:58 PM
「チチッ…クロ、おいで〜」
『猫なんて呼んでも来ないでしょ。』
「いや、この前は来てくれたんだって!諦めず
話し掛けてればきっと…!」
『どうせ気まぐれだって。来ない来ない。』
「もう…夢がないなぁ。そんな事ないよね
クロ〜…あれ、クロは?」
『…さっき、飼い主っぽい女の人に呼ばれて
そっちに行ったよ。』
「…これが世の不条理…?」
〈不条理〉
3/18/2024, 4:16:44 AM
──昔、夏祭りで買った甘いラムネ。
中のビー玉がどうしても欲しくて、
瓶を割ったら指先を切った事があった。
私が痛くて泣いていたら、
『泣かないで。ほら、絆創膏あげるから』
そう言って、あなたは私の指に絆創膏を貼り
いつまでも泣き虫なんだから、と笑った。
…私、あなたより大人になっちゃった。
もうガラスで指を切っても泣かないよ。でも…
──もう一度、あなたに逢いたい。
…そう思うと、どうしても涙が溢れるんだ。
〈泣かないよ〉
3/17/2024, 5:11:17 AM
『怖がりなのは悪い事ではない』
そう言う人も居るけれど
肝心な時、何かを失うのが怖くて動けない
それも、怖がりのうちに入りますか?
〈怖がり〉
3/14/2024, 1:58:20 PM
あなたの安らかな瞳に見つめられると
なんだか心を見透かされているようで
ただ少し落ち着かないけれど
がくぶちにかざられた絵画のように
すこしも動じずあなたを見つめ返せたなら
きっとその時はあなたに伝えられると思うの
〈安らかな瞳〉
3/13/2024, 2:40:33 PM
シロツメクサの花冠を作るのが得意な私と、
四つ葉のクローバーを見つけるのが得意な君。
春風はシロツメクサの花を優しく揺らし、
君の白いワンピースをなびかせた。
花冠を被り、はにかんだ君は
とても綺麗だった。
このままずっと隣で、
君を見ていたいと思う程に。
〈ずっと隣で〉