くろくら

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3/12/2024, 12:16:55 PM


『…僕は今、どこに居るんだろう?』


別に道に迷った訳じゃないけれど、
ふと、そんな事を考える。

僕は昔から、時折そう思う事があった。

この漠然とした問いの答えを探るとき、
いつも決まって真っ暗な空間と、前後に果てしなく延び続ける一本の道を思い浮かべる。

道には不安な面持ちの自分が立っていて、
それを幽霊のように透明な僕が俯瞰している。


《僕は今、どこに居るのか?》


この問いは多分、その一本道を歩く自分が
発した疑問なんだろう。

辺りは真っ暗で何も分からず、不安で不安で
仕方がない。

この道は何処へ行き着くのか。それを少しでも知りたくて、外の僕に聞いたのだ。


「…それなら 僕は、」


君が道を違えてはいないか。
この道を進んだ先に何があるのか…

外の僕が沢山のことを知り、不安な君に
教えてあげよう。


"もっと知りたい"


そう願う君に応えて。



〈もっと知りたい〉

3/11/2024, 12:12:21 PM



3月。風はまだ冷たいが、陽射しは暖かい。

仄かな梅の花の香りは冬の終わりを告げ、

木々の隙間からうぐいすの歌が聞こえた。


ああ、もうじき春が来る。

春が来たら何をしよう?花の栞でも作ろうか。


心弾む春の予感。

平穏な日常の中の、少しの変化。



〈平穏な日常〉

3/10/2024, 1:00:04 PM


「愛と平和」

その2つは似ているようだが、まるで違う。

愛があれば世界が平和になる訳ではないし、

平和な世であれば誰かを愛せる訳でもない。

それでもその2つが一様に謳われる理由は、

何方も容易には手に入らないからだろうか。



〈愛と平和〉

3/9/2024, 11:51:25 AM


あなたは今、何をしていますか?
私は今、あなたを思い出していました。


『──私ね、死にたいの。』


…そう瞳に涙を溜めて言ったあなたは、
今もまだ生きているのでしょうか?


2人で駆け回った花畑。

木漏れ日の下で猫と一緒に眠った日。

ありがとう、というあなたの声。

また明日ね、と誓って別れた最後の日…


あなたと過ごした日々がある。
それは憶えているのに、とても大切なのに。

その時のあなたはどんな表情をしていたか、
あなたが好きだと言ってくれた私は
どんな私だったか。


…もう、思い出せなくなってしまった。



〈過ぎ去った日々〉

3/8/2024, 7:16:15 PM



    お金より大事なもの。


   野に咲く花を集めた花束。

   猫と一緒に昼寝する時間。

   あなたを照らす木漏れ日。

   ありがとう、という言葉。
           
   また明日ね、と結ぶ約束。


    ラムネ瓶のビー玉。

    四葉のクローバー。

    お祭りの光る腕輪。

    洗いたてのお布団。




 …どれだけ月日が経とうとも

   鮮明に思い出せる、あなたの涙。



〈お金より大事なもの〉

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