くろくら

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3/10/2024, 1:00:04 PM


「愛と平和」

その2つは似ているようだが、まるで違う。

愛があれば世界が平和になる訳ではないし、

平和な世であれば誰かを愛せる訳でもない。

それでもその2つが一様に謳われる理由は、

何方も容易には手に入らないからだろうか。



〈愛と平和〉

3/9/2024, 11:51:25 AM


あなたは今、何をしていますか?
私は今、あなたを思い出していました。


『──私ね、死にたいの。』


…そう瞳に涙を溜めて言ったあなたは、
今もまだ生きているのでしょうか?


2人で駆け回った花畑。

木漏れ日の下で猫と一緒に眠った日。

ありがとう、というあなたの声。

また明日ね、と誓って別れた最後の日…


あなたと過ごした日々がある。
それは憶えているのに、とても大切なのに。

その時のあなたはどんな表情をしていたか、
あなたが好きだと言ってくれた私は
どんな私だったか。


…もう、思い出せなくなってしまった。



〈過ぎ去った日々〉

3/8/2024, 7:16:15 PM



    お金より大事なもの。


   野に咲く花を集めた花束。

   猫と一緒に昼寝する時間。

   あなたを照らす木漏れ日。

   ありがとう、という言葉。
           
   また明日ね、と結ぶ約束。


    ラムネ瓶のビー玉。

    四葉のクローバー。

    お祭りの光る腕輪。

    洗いたてのお布団。




 …どれだけ月日が経とうとも

   鮮明に思い出せる、あなたの涙。



〈お金より大事なもの〉

3/7/2024, 4:32:36 PM


…ある山の麓にある、古い神社。月夜の晩に
 そこへ行けば、"白鬼"に会えるらしい─



「…最近、学校でこんな噂が流れてるんだ」

そう話すのは、私の隣に座る少女…ルカ。
彼女の幼い頃に怪我を治してやると懐かれて、私によく会いに来てくれるようなったのだ。

『へぇ、そうなのね。』

私が何気なく答えると、ルカは不安そうな表情でこちらを見る。

「…何も聞かないの?」

『どうして?』

首を傾げて言うと、彼女は暗い顔で俯く。

「どうしてって…私がその噂を流したかもしれないじゃん。」

『あら、そうなの?』

そう問うと、彼女は俯いたままフルフルと首を横に振った。
ルカは、私の前では絶対に嘘をつかない。

「…もう、会わない方がいいのかな。」

…ルカにとってはかなり辛い提案だろうに、
そう話す彼女は強く、優しい。
私は静かに微笑み、立ち上がる。

『…ルカ、顔を上げて。』

「…?」

『ほら…こんなにいい月夜なのに、独りぼっちで眺めるのは少し寂しいわ。』

私の言葉に、ルカは少し安心した様に微笑む。

「……うん、そうだね。」

…そんなルカを優しい瞳で見つめる彼女の
額には、二本のツノ。
彼女の純白の髪は風に揺れ、月の光を透かして淡く輝いていた。



〈月夜〉

3/6/2024, 2:52:17 PM


「絆ってさ、切っても切れないものなんだって。」

『じゃあ、人間切断マジックにでも出演して来たら。』

「嫌だよ、痛そう。」

『でも絆は切れないんでしょ?』

「確かに私の名前は絆だけどさ、物理的に切ろうとするのはやめてよね。」



〈絆〉

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