線路のせいか。線路のせいか
乗っている電車が傾いておりまして
左右に私は揺れておりまして。
無惨にも。
無惨にも。
車窓は粉々に砕け散ってゆきました。
こんこん、そう音を立て
床には丸っこいビー玉が。
あぁ、こいつが正体。
皮肉にも、皮肉にもですね。
それは美しく美しく
差し込む光に反射しておりましたから。
するするすべる髪に
僕はすべって落ちてゆくのです。
時折たまたま時折、
幻聴がするのです。
耳の奥で声がするのです。
幻聴のきっと劣化版
家族の声がするのです。
どこかの記憶を伝って、
きっと、きっと
脳みその中心にカセットテープがあって
僕の耳の奥で鳴らしているのだろうと
聞かなければ
その声がホントだったか僕には判別できない。
うるさいと言うのです。
僕の名前を呼ぶのです。
でも、僕には分からないから。
好いている人とのメッセージは好きだ。
口が無意識に笑顔になってる、
でもやっぱり
それを待ちわびている時間はドキドキして慣れない。
好いている人とのやり取りはすぎだけど、
時間が伸びていく度、
僕の不安はましていくから。
ぼくは向いていないんだなぁ、
きょぅはなんともサイアクな事があった。
おっさんがぼくの肩を押してくんだ
きのーと、きょぅ、。
連続でおっさんとふれあってぇると、
ぼくのココロも尖ってくもンヨ。
オマエはしってるか?
電車のせんとーはたのしんだぜぇ。
がたんがたん、
線路がまんまえにあってオモシロイんだ。
だぁれもみやしないんだけどな、
タブンあいつら損してるぜ。
ぼくぁ、ジジイになって死にたいなぁ。
なぁ、?
タバコくれよ
やさしーオニーサン。
午前3時。
ふと目覚めて、
眩しさに思わず目を潰しそうになった。
月とはこんなに明るかっただろうか。
言葉を使うのには躊躇する。
まるで意味が伴っていないことが僕には多々ある。
月に照らされ、
色素の薄い髪の毛が
ゆらゆらと光を透かしている。
彼を僕はきっと愛している。