寒さで僕は震えていたのです。
青く光る星は僕を見下ろし、月は僕を嘲笑っている。
さらさらと
あなたの髪が揺れている。
頬を桃色に染め
口元は少しむず痒そうに
緩んでいる。
好きだなあ、、
ぼくはあなたが好きなんだ。
思わずぼくも口元が緩みそう、
緊張で仕方ないのに。
私は適度に死にたいと願うので。
あいや。
過度に死を願っていたりするんだろうか。
でもまあ死には至っていないので、
きっと適度に死にたいということなのだろうと。
死にたい死にたいと思っていると、
どうも気分は下がる一方で。
死にたい死にたいと思っていると、
どうも気味が悪いほどに気分が高揚したりもするようで。
私が実に幸せな環境に身を置いているということには変わりないのだが、
まあやはり逆張り的に自身の不幸せを願ってみたくなることもあるようで。
これは宜しくない傾向にあると思った私は
取り敢えず身近な幸せを探そうと、
身近な幸せを愛そうと思ったわけで。
これはあれだろう、幸せに慣れすぎてしまっていると
私が思ったからだろうが。
案外幸せは私の周囲を囲っているようで、
それに気がつくと私はどんどんと
不幸のハードルを上げていってしまった。
不幸せな自分に酔うのなら、まあ勝手にしろとしか言いようがないが。
とにかく他人に迷惑をかけるのは違うと
謎の正義感で満ちていた私は
地を這いながら幸せでいようと思ったわけで。
いやいや、そういうのじゃないんですよ。
ボクが聞きたいのはそういう事じゃなくてですね。
ああ、はい。
まあそういうことですけども、
ニュアンスというかなんというか。
とにかくボクが知りたいのはそういうことじゃないんですよ。
とにかくよく喋る人だ。
彼の質問とかそういうのは置いといて、彼はとにかくよく喋る。
冷めたコーヒーをひとくち。
申し訳ないのだが、
何とも彼の言葉は耳をすり抜けてゆく。
そういうのじゃないんですよ。
とりあえずそうなんだろう。
そういうのじゃないらしい。
そういうのじゃないのはよーく分かったが、さてはてどうしたものか。
俺の脳みそはもう随分前に彼の言葉を認識しなくなったらしい。
普通に聞くのがめんどくさくなっただけだが。
クジラが落ちた。
ある朝どうも騒がしく、
あの丁寧なアナウンサーが少々取り乱し気味?
あらあら、まあまあ、
一体どうした。
「クジラが落ちた。」
クジラが落ちた?
ああ、そういえば、、。