夜明け前の空って、一番綺麗なんだって!
そんなことをいつか誰かが言ってた気がする
いつか僕も夜明けを迎えられるのかな
こんな真っ暗闇も夜明けを迎えれば
きっと綺麗だと信じて今日も生きる
今日も学校から帰る
駅を出ると雨が降っている
駅からの帰路は相変わらず暗い
「今日、傘持ってたっけ…」
バッグを確認してみても入ってない
おもわずため息がこぼれた
幸いにも雨は小雨だったので雨に打たれて帰る
「それにしても今日もカッコ良かったな〜」
私にはずっと片思いしてる人がいる
学校でもかなりの人気者だ
「夢でもいいから突然そこの曲がり角とかから出てきてくれないかな〜」
そんなことを言いながら一人歩く
段々となんとも言えぬ寂しさが私を襲ってきた
「はは…」
自然と足が止まる
雨も心なしか強くなってきていて段々寒くなってきた
一人雨に佇む私は本当に孤独に思えくる
このままじゃ本当に風邪をひいてしまう
「大丈夫、きっと雨はいつか止む」
そう言いながら寂しさを振り払い
また一人歩き出した
「海へ行こうよ!」
なんて突拍子も無いことを言い出す君
「なんで海?」
「だって、もうすぐ夏も終わっちゃうでしょ?」
たしかに、今年の夏休みもあっという間だったな
夏休みが終われば段々と夏の暑さも和らいで涼しくなってくる
そう考えるとなんだか淋しいな
「別にいいけど…泳ぎたくはないよ?」
「別に泳がなくてもいいの〜!」
「どういうこと…?」
「ただただ海を見たいだけ」
やっぱりよく分からない、海を見るだけで何か変わることでもあるのだろうか…
そして部活終わり、1時間もかけて電車に揺られて海を見に行った
「やっぱ綺麗だね〜!」
「うん…」
今の時間帯は丁度夕日が沈んでくる時間帯
海に夕焼けが映り、綺麗なグラデーションとなっている辺りはオレンジに染まっていた
「今年の夏も終わっちゃうのか〜」
「別に、ようやくこの暑さから開放されると思うとむしろ嬉しいけど」
「もー、夏だって良いこといっぱいあるじゃん!」
そんな他愛もない話を砂浜に座りながら君と話す時間は思ったよりも悪くは無かった
見たくない物は裏返し
知りたくないことも裏返し
聞きたくないことだって裏返し
裏返しにすればなんでも隠せるの!
嫌なことは何でも裏返してきた
でもそうしたらいざという時
絶えられなくなっちゃった
裏返し過ぎたらダメだね
「時には…立ち向かうのも大切だったんだな〜…」
これはとある少女の得た気づきの話
鳥と言えば空を自由に飛んで、色んな景色を見る、そんなイメージを抱く人のが多いと思う
けれど私は不自由だ、鳥籠という狭い空間の中で水と餌を貰いながら生きている
ずっと広いあの大空に憧れてた
だから今日この狭い空間から飛び立つ
ずっと憧れてた世界、そこに放たれた瞬間自由なんだと実感した
友達を作って、自分で稼いだお金で生活して、恋人もできて
まるで自由な鳥のよう
私は今、幸せだ