浜崎秀

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9/12/2022, 8:11:45 AM

カレンダー、それは大切な1日に名前をつける。

9/5/2022, 11:59:40 AM

まだ日も昇らない薄暗い空、誰もいないはずの砂浜。彼女は1人佇んでいた。
幻想的とは正にこのことだろう。仄暗い背景と綺麗な真っ白のワンピースの少女。まるで映画のワンシーンを切り取ったかのような、この世のものとは思えないほど完璧な光景。普段は見向きもしない退屈な砂浜は彼女の存在によって全く別のものに変わっていた。
気付けば足を止め、ただ彼女を見つめていた。何をしているのだろう。たった一人、歩くわけでも泳ぐわけでもない。ただ海を見つめている。
近づきたい、話しかけてみたい。彼女の目に何が映っているのか確かめてみたい。
意を決して砂浜に一歩踏み出したその瞬間、彼女が振り返った。ピクリともせずにただこちらに視線を定めている。何か良くない雰囲気を感じる。この美しい景色に自分が入ることを拒んでいるのだろうか。
ゆっくりと、踏み出した半歩をアスファルトに戻した。彼女は暫くこっちを見ていたが、僕が近づいてこないと悟るとまた海に目を向けた。僕もまた彼女を見つめていた。
どのくらい時間がたっただろう。気付けば東の空から光が差し込んでいる。
不意に彼女が動いた。身につけていた真っ白のワンピースを脱ぎ始めた。脱いだ衣服を丁寧にたたみ、そのまま海に向かって歩き始めた。一歩進む毎に、肌色が海に飲み込まれていく。遂に完全に見えなくなった。
そして1、2分が過ぎた。段々と現実に引き戻されつつあった僕の思考は一つの仮説を立てた。

入水自殺

その言葉が脳に浮かんだ瞬間、慌てて海に向かって走り出した。柔らかい地面を革靴で必死に蹴りながら、海に向かって息を切らして走った。
陸の端まで着いた頃には、すっかり明るくなっていた。息も絶え絶えに水平線を見渡しても何も見えない。脱ぎ捨てた服があるはずの場所には、綺麗な真っ白の貝殻が置いてあった。

『砂浜』

9/5/2022, 6:57:23 AM

華やかで煌びやかなものは無意識的に避けてきた。私はそんなものとは無縁の存在。そう言って自分の中に閉じこもっている方がずっと楽だ。だがその半面、キラキラと輝く世界に憧れじみた感情を抱いてもいる。輝きたい。チヤホヤされたい。世の成功者を馬鹿にしつつも、ふとしたときに向こう側に行きたいという浅はかな欲望が顔を出す。だがそれも一時の気の迷いにすぎない。輝くための努力するわけでもなく、しんどいことからは逃げている。結局のところ、怖いのだ。自分が何者でもなかったと知ることが怖い。勉強や恋愛、仕事。成功者の努力も知らずに「楽しそうだな」と冷めた目線を送ることが、私にできるせめてもの抵抗なのだ。