『心の健康』
「俺って心が病んでるんだ」
『……そうなのね』
「子供の頃から不幸続きでさ」
『……大変ね』
「笑顔でいるのが辛いんだ」
『……可哀想ね』
「君は心が強いよね」
『……そうね』
「何があっても動じない」
『……確かにね』
「本当に君が羨ましいよ」
『……ごめんね。
悪いけど、今から自殺しなきゃいけないの。
またね』
ツーツーツー
「どうして自殺なんてするんだろう?
……まぁ、いいや」
プルルルルル
『……なに?』
「俺って心が病んでるんだ」
『君の奏でる音楽』
──あぁだるい。
イヤホンから流れる軽快な音楽を聴きながら、その心にはドロドロとした惰性が覆っていた。
だるい。何もしたくない。面倒臭い。
だるい。
だるい!
かったるいっ!
仕舞いには怒りさえ湧いてくる始末。何がなにやら自分でも分からない。
ウゥ〜と呻くもおさまらない。
イヤホンからは未だに空気の読めない音楽が流れている。
タッタカタカタン♪タッタッタッ♪
タタッタタンタン♪タッタカタン♪
両手を頭に持ってきて、ズズっと前髪を掻き上げる。頭皮も一緒に持ち上がり、目付きが少し鋭くなった。
少し気になって立て掛けられた鏡をみれば、そこには酷い顔をしたブスが一人、変顔晒してこちらを見ていた。
──あぁ泣きたい。
理由はないが情けない。
なんかもう生きたくない。
死にたいわけじゃない。
生きたくない。
生きたくない。
仕方が無い。
タッタカタカタン♪タッタッタッ♪
タタッタタンタン♪タッタカタン♪
軽快なBGMが流れる中で、思考がクルクル踊り出す。鈍くて重い思考のダンス。
ワン・ツー・ワン・ツー
ドン! ドン! ドンッ!
……醜悪すぎて観てられない。
チクタクチクタク時計が進む。
今日も私は──
「……何してたっけ?」
『つまらないことでも』 160
一度辞めてしまった後に、それが再び出来ないことなら。
取り敢えず続けてみてもいいかもね。
今辞めるなんて勿体ない!
どうせ何時でも辞められるのなら、もう少しだけ生きてみようよ。
『澄んだ瞳』
"やりたい事をやった"だけ
結末なんて興味無い
誰かが死んだ
どうでもいい
誰かが生きた
どうでもいい
誰かの不幸
どうでもいい
誰かの幸せ
どうでもいい
どこかの誰かが
どうなろうとも
そんな事は
どうでもいい
"やりたい事をやった"だけ
結末なんて興味無い
『神様が舞い降りてきて、こう言った。』
「私は決して怪しい者ではありません!」