ノーム

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12/4/2022, 8:17:15 AM

『さよならは言わないで』


『またね』
貴女はそう言った

『うん、またね』
私はそう言った

それっきり貴女とは会えていないね

そんなに私の顔が見たくなかったの?
『私達は親友だ!』……その言葉は嘘だったの?

そんな素振りなんて少しも見せなかったじゃない
私も貴女のこと、なんでも話せる親友だと思ってたのに
勘違いしちゃったよ、恥ずかしい


『またね』
貴女はそう言って

『うん、またね』
私はそう言ったんだ

さよならは言わないで『またね』って言ったんだ
お互いに『またね』って言ったんだ……!

ねぇ、どうして相談してくれなかったの?
ねぇ、どうして私は気付かなかったの?
ねぇ、どうして私なんかが貴女の親友だったの?

……ねぇ、どうして──


もう会うことも叶わない貴女に問いかける


──私じゃ貴女の生きる理由にはなれなかったの?

11/30/2022, 10:54:00 AM

『泣かないで』


……俺が悪いのか?
裏切られたのは俺なのに?
それを少し問い詰めただけで?

お前は俺が少しでも失敗すれば、何時だって嫌味たらしく責め立てたじゃないか?
俺がどれだけ謝っても冷たく睨みつけて、舌打ちをしたじゃないか?

何時も、何時も、何時も……そうだろう?

なのにどうしてお前は泣くのか?

どうして謝罪の言葉一つ言わずに、ぽろぽろぽろぽろと涙を流しながら俺を睨むのか?
どうして何も知らない筈の周りの人間は、その涙だけを見てお前に同情するのか?

……どうしてお前が被害者面をして、俺が悪者扱いされなければならないのか?

それは……そんなのは……あんまりだろう?


……泣きたいのは何時だって俺の方なのに

11/29/2022, 11:11:33 AM

『冬のはじまり』


──バチィン!!

ド派手に頬を叩かれた
親父にもぶたれたことないのに……

そんなくだらない事を考えている間に、彼女は家を出ていった
……後を追う気力も湧かない

ヒリヒリとする左頬を擦りながら、洗面所まで行き鏡をみる
なんとも鮮やかな紅葉が一枚、頬に描かれていた

はぁ……なんて溜息をしつつ、風呂に入ってさっさと布団に横になる
一晩寝れば気分もマシになるだろう──

────

──翌朝、寒くて寒くて目が覚めてしまった
仕方が無いので、寝惚け眼を擦りながら洗面所へ行き顔を洗う

部屋に明かりを入れるためカーテンを開けると、外では小粒ながらも確かに雪が降っていた
……通りで寒いわけだ

温かいコーヒーでも飲もうと、電気ケトルへ向かうその顔からは……既に紅葉は無くなっていた

11/28/2022, 12:09:50 PM

『終わらせないで』


……いや、こっちとしても終わらせたくは無いんですよ?

でもしゃーないんです、どうしょうもないんですって。

あのね、終わらせるんじゃあ無いんですよ……終わらさせられるんですよ。

『終わらせないで』なんてこっちに言われてもね、正直困るんですよ。

何回でも言いますけどね、しゃーないんです。

終わらせたくは無いけど、しゃーないんです。

もうね、どうしょうもないんです。


……これで、終わりなんです。

11/27/2022, 10:14:25 AM

『愛情』


皆が私を責める。

私の言動には愛情がないから、愛が故に責めるらしい。

……私にも愛情があれば、他人を責めても許されるのだろうか?

分からない、私には……解らない。

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