手を取り合って
君と一緒なら、ここを飛び降りられるね!
七夕
天の川を望む、雄大な星空――それを観測出来ただけで、ここに来て良かったと思える。
それを、貴方の手を握りながら眺めることができたら、どんなにいいことか。
貴方は、それを言ったら笑ってくれる?
虚空を掴む右手が居場所を求めて彷徨う。ここにいてほしい人を探して。
―――――
星の夜貴方に永遠の願い馳せ翼はきっと使わないから
友だちの思い出
久々に地元の友達と遊んだ。半年ぶりだ。
お互い、どんどん予定を合わせるのが難しくなる。
多分、次の長期休みは遊べないだろう。
メッセージは埋もれた。なかなか上がってこない。
でもまあ、そんなものか。
9年の仲も、儚いものだね。
この道の先に
見えない。さっぱり見えない。まっしろい霧が執拗に先の道を曇らす。
そのくせ後ろの霧は薄ぼんやりとしていて、なんとなく遠くの方まで見えてしまうから困りものだ。
よーく目を凝らして見てみると、いつかに見た絶景や恐ろしい動物が見えてくる。時たま、地面にほんのちょっと生えているだけの、すぐに忘れてしまうようなちいさい花々も見えてくる。
まあ、だからといって先に進まない訳にもいかない。進まなきゃここでのたれ死ぬし。
仕方ないから、今日も霧の中を進んでいく。さて、いい景色は見られるかな。
やりたいこと
高校受験では、ひたすらに勉強していた。
そこそこ評判のいい学校に入って、また勉強した。
大学受験も頑張ったが、第一志望には受からなかった。
なんとなく落ち込んだが、滑り止めには受かったのでそこに通った。
就活は緊張したが、早いうちに内定を貰えたのでよかった。
適当に卒論も乗り越えて、無事に卒業した。
会社勤めは楽じゃないけど、そんなにブラックでもなければ薄給でもないので満足している。
最近は同僚に告白されて付き合い始めたりもしている。
夢が無くても、推しがいなくても、案外生きていけるものらしい。