観測者

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この道の先に

見えない。さっぱり見えない。まっしろい霧が執拗に先の道を曇らす。
そのくせ後ろの霧は薄ぼんやりとしていて、なんとなく遠くの方まで見えてしまうから困りものだ。
よーく目を凝らして見てみると、いつかに見た絶景や恐ろしい動物が見えてくる。時たま、地面にほんのちょっと生えているだけの、すぐに忘れてしまうようなちいさい花々も見えてくる。
まあ、だからといって先に進まない訳にもいかない。進まなきゃここでのたれ死ぬし。
仕方ないから、今日も霧の中を進んでいく。さて、いい景色は見られるかな。

7/3/2024, 1:04:25 PM