観測者

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3/13/2024, 11:09:05 AM

愛と平和

愛に満ちてる私の世界は平和そのもの。
けど、一歩外に出たらそこに平和は無い。
桃色の愛がぎゅうぎゅうに詰まっていられるのは、閉鎖的で他人を拒んでいる世界に限られている。
そうじゃない世界って、いつもみんなが争っていたり、隙間風が吹いていたりしている。
別にそれが悪いって訳じゃない。挑戦的な人生もいいもんだと思う。
ただ、それなのに、扉で固く閉ざされた世界を見たことがある。
扉はぼろぼろで、風に吹かれたら飛んでいきそうだった。

3/7/2024, 11:56:56 AM

月夜

不思議と明かりひとつない街を、私はひとり歩きまわっていた。
ふと見上げた夜空は、息を呑むほど綺麗だった。
思わずスマホを取り出して……しまった。
こんな苦しい毎日なんて、どこにも残したくないのに……

3/4/2024, 8:37:09 AM

ひなまつり

今日の家には誰もいない。
日が沈み、真っ暗になったリビングで、桃をじゃくじゃくと丸かじりする。
今日は桃の節句だからだ。
私は女の子なのに、親はひな人形とかちらし寿司とか、そういうのを一切やってくれなかった。
だからこんな親不孝に育ったんだろうね、私って。
今年のひなまつりは家に私しかいないので、せっかくだから桃の節句を祝ってやろうという訳だ。
とは言っても、無論うちにひな人形などはない。料理も得意ではない。
ひなあられは友達と食べたことがあるが、あれはまずい。
というわけで、桃を食べることに決めた。

3/3/2024, 9:19:38 AM

たった一つの希望

全員がたった一つの希望にすがって、見苦しいとは思わんかね。

3/2/2024, 5:15:33 AM

欲望

「平和な日常をください」
少女は願った。程なくして実現した。

「素敵な人のよき伴侶になれますように」
成長した少女は願った。素敵な人に出逢った。

「どうかお金に困ることがありませんように」
更に願った。少女からは無限にお金が湧いて出てくるようになった。

純粋な欲望に塗れた少女は、慎ましくも強欲に願い続けた。
その結果、溢れ続ける慢性的な幸福に少女の感情は麻痺してしまった。

幸福を幸福と認識出来ぬまま、少女は幸福を求めて願い続ける。

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