小さな命
あたしの命なんてちっぽけなもの。
ちっぽけだから、無くなったところで誰も気にしない。
ちっぽけだから、大きな命には容易く踏み潰されてしまう。
ちっぽけだから、誰にも気付かれない。
Love you
ある日、私は告白された。
校舎の裏側、ベタな言葉で。
私のことをそんなに想ってくれてるんだって、嬉しくなったことは覚えてる。
彼は私に尽くしてくれた。
その姿は、しっぽを振る健気なワンちゃんにも見えた。
一緒に手を繋いで歩いたり、傘を忘れた時には相合傘で家まで送ってもらったり。
フルーツティーのような青春が詰まった1年だった。
そんな思い出の数々を夕焼けのスクリーンに映しながら、寂れたブランコをキイキイとこぐ。
隣にはだあれもいない。
君はどこに行ってしまったのだろうか。
太陽のような
推しって尊い。太陽のように眩しい。
眩しすぎて直視できない。
眩しすぎてたまに苦しい。
うっかり近くに来てしまうと何もできない。
推しを前にしてしっかり話せる人、尊敬する。
推しの輝きが毎日の活力になる。
推しにぽかぽかと照らされた日常が愛おしい。
電池切れになるまで、どうか私の世界を照らしてください。
0からの
零さんのラジオは、聴いて2分で絶望を聞かせてくれる。
ただ、最後まで聴くことができれば不思議と心がスッキリとし、まっさらな気分になれる。
自分は何にでもなれるのだという希望を持てる。
もう一度、0から始めてみようか……なんて。
そんなこんなで聴き続けて何度目か、僕はこう思った。
「僕って、誰だっけ」
同情
いじめられると同情される。
私を可哀想に思い、いろいろと良くしてくれる近所のおばさんは言った。
「ゆきちゃん、学校でいっつもいけずされて難儀やなぁ。でも心配あらへんで。おばちゃんがな、そんなことする子たちボコボコにやっつけたるからな」
私を家に招く度に同じ事を言う。確か今日で15回目くらい。
言葉で言うのは簡単だもんね。
殴る蹴るは日常。
私はクラスメイトのサンドバッグで、彼らのあらゆる不満は全て私に降りかかる。
ここ半年、クラスメイトに陽の感情を向けられたことは一度も無い。
時々あるグループワークでは、常に全ての役割を押しつけられる。
教師に告発したことは一度もない。
どうでもよかったから。
ただ、痛い時は思わず涙が出てくる。