6/7/2022, 12:46:26 AM
その日その場限りの不幸にしか使えない言葉
元気があるときにしか出てこない発音
簡素な熟語だけどあまり口馴染みがない語句
「最悪だ」、なんて
そんな一言が私にとっては贅沢なのだ
5/31/2022, 10:45:02 AM
蟻は雨を予知できると言う
巣の穴を塞ぎはじめたら合図だ、と
私は話題作りに雨雲を仰いだ
用意するのは、ほんの少しの知識で十分
君が大好きな虫の話
楽しそうに語る顔が見たいだけ
君には教えない内緒の本音
5/27/2022, 11:34:47 AM
魂は修行のために転生を繰り返すのだとしたら、
何を鍛えるために今世生まれてきたのだろう
地球滅亡を迎えるまで途切れぬ輪廻転生があるのだとしたら、
そんなに苦しくつらい永遠を生きていかなくてはいけないのだろうか
私たちに冥界からやってきた前世があるのだとしたら、
その記憶が消滅することが神の与えた幸せなのだとしたら、
死後の世界の記憶までも消し去られてしまって、
人間の死への恐怖が永遠になくならない
かつて憧れていた永遠というものが、
少し怖くなった
5/26/2022, 3:50:06 PM
足の爪が剥がれたの
痛みすら感じずに消える、ちっちゃな爪
何年かに一度とれちゃうような、脆くて非力な爪
それは乳歯みたいに覚束ないあんよで耐えて、
やがて三日月形のごみになる
可哀想だと思った
私が生きている限り、何度もうまれ生えては灰になる輪廻を
土壌よりずっと健気なそのひたむきさを
足をさすりながら、明るい夜空をぼんやり眺める
あの空の衛星のように、
私が宇宙の塵になって天体の一部にでもなったら?
そこには悠久の永遠がある気がする