柴崎

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足の爪が剥がれたの

痛みすら感じずに消える、ちっちゃな爪
何年かに一度とれちゃうような、脆くて非力な爪

それは乳歯みたいに覚束ないあんよで耐えて、
やがて三日月形のごみになる


可哀想だと思った

私が生きている限り、何度もうまれ生えては灰になる輪廻を
土壌よりずっと健気なそのひたむきさを


足をさすりながら、明るい夜空をぼんやり眺める

あの空の衛星のように、
私が宇宙の塵になって天体の一部にでもなったら?

そこには悠久の永遠がある気がする

5/26/2022, 3:50:06 PM