透明人間

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6/15/2024, 4:27:55 PM

“ 好きな本 ”

良さそうな本を見つけた 。

読みたい 、 ってよりは雰囲気が好き とか その物自体に惹かれる

的な 。

そーゆー好き だった

「なに ?その本気になるの ?」

「いや 、そんなことないよ 。 ただ落としそうになっちゃって 。」

立ち寄った本屋でその本を手に取って友達に聞かれ

咄嗟に嘘をついてしまった







後日 、 恋人と本屋に来た 。

「この本良さそう」

君が手に取った本は 、あの時俺が気になった本だった

「うん 、いいと思う」

「じゃあこれにする!」

この子は 、 感性があう 、

その事実が何よりも嬉しくて

この子だけは何があっても大切にしようと思った

6/14/2024, 11:35:16 AM

“ あいまいな空 ”


曖昧な空は嫌いだ

どんよりしたような 、 ぼんやりしたような景色

人生一度きりしかない中で沢山の景色を刻もうとするなら

そんな空を見ている時間さえ勿体ないと思ってしまう

なのにこんな空を君は好きだと俺の前で笑う


「なんでこんな空が好きなのさ」

「だってよく見て 。

少し差し込む光が見えたらそれはもう希望みたいじゃない ?」


神秘 、 的なやつだろうか 。俺にはよく分からないけど


「いつも失敗ばかりで酷く落ち込んだ私みたいなの

それでも私をいつも励ましてくれて光を与えてくれる

貴方を見てるみたいで安心するの」


そうか 、 彼女にとって俺はそんな存在になれていたのか

俺にとっての君も僕の人生に光をくれた人だということを

伝えたくなった 。


「じゃあ 、 俺もこの空を好きになったかも 。」

「なら良かったわ 。」


2人で手を繋ぎながら空を見上げて帰った 。

6/14/2024, 3:44:26 AM

“ 紫陽花 ”

「ねぇ 、 紫陽花って綺麗だよね 。

全部微妙に違う個性持ってて 、 あとほら .. 夏の象徴っていうか

紫陽花の浴衣着てる女子とか見て 、 可愛いな 〜 とか

好きな子と一緒に紫陽花みて帰ったこととか

甘酸っぱい思い出ばっかりなんだよね」

「急にどうしたのさ 、 紫陽花なんて 。」

「紫陽花祭り 、 一緒に行こうよ 。男同士で」

「絶対やだ」


ケチ と 言わんばかりに頬を膨らまして彼は

“ 他の奴誘うからいい ” と俺の前を後にした

紫陽花は愛情運を持って行ってしまう花 、 だと聞いたことがある

そんな恐ろしい花一緒になんて見に行きたくない

ただでさえ 、 君と僕を繋ぐ愛は少なく理解されがたいものなのに 。

けれど 、 君とはずっとこのままで居たいから

他の奴誘ってほぼ全部の愛情運を吸い取られて

俺の元に戻ってきてくれればそれでいいと

紫陽花の力を頼ってみたいとも思った 。