ふと思う

　　あのひとと出会った頃と
　　同じように
　　無垢な気持ちで
　　また誰かに想いを寄せる
　　そんな日がくるだろうか　と　


　　それは無理だと直ぐに否定



　　過ぎた日の
　　大きすぎた悲しみが
　　猜疑心や恐れ等々の
　　負の感情を
　　しっかりと心に植え付けたために
　　
　　わたしの無垢は
　　もう
　　消えてしまっている…





　　　　　　　　　　　　# 無垢

　　
　　雨が降る

　　想い出連れて
　　雨が降る



　　すすり泣くような雨音は
　　しっとりと心を濡らし

　　あなたと過ごした日々を
　　鮮やかに浮き立たせ

　　想い出を辿る
　　終わりなき旅へと
　　静かに
　　わたしを誘いこむ



　　雨が降る

　　涙を連れて
　　雨が降る




　　　　　　　　　　# 終わりなき旅

　　　
　　　地獄も天国も
　　　わたしの心の中にある

　　　どちらに行くかは
　　　その日その時の
　　　わたし自身の精神力が
　　　支配する

　　　　


　　　　　　　　　　　　# 天国と地獄

　　もしも願いが叶うなら

　　お月さま
　　あなたの優しい光を
　　少しだけ分けてくださいな

　　真心こめて紡ぐ光の糸で
　　一枚の布を織り
　　空飛ぶマントを作ります


　　あなたが夜空に輝く時は
　　そのマントを羽織って
　　恋しい人の枕辺まで
　　夜毎に飛んで行くでしょう



　　もしも願いが叶うなら

　　お月さま

　　ほんの少しだけ
　　わたしにください
　　その光




　　　　　　　　　　# 月に願いを

　
　　　　

　　　どれだけ泣いても

　　　あなたを失くした悲しみは
　
　　　薄まらない


　　　枯れない涙



　　　わたしの雨は
　　
　　　降り止むことを忘れている






　　　　　　　　# 降り止まない雨