恋心は
あなたに
囚われたまま
逃れられない
忘れられない
# 逃れられない
あなたと
「また明日」と言いながら
手を振り合った日々は
遠く過ぎ去り
いまでは
「また明日」の言葉は消え
あなたの笑顔も
振り合う手も
見る事ができない
「また明日」
なんと不確かな約束
来るはずだった
あなたとの明日が
二度と来ないと知った時の
驚愕と悲しみは
わたしに
「また明日」を言えなくさせた
# また明日
あなたへの熱い想いが
わたしの心を
少しずつ溶かしていく
溶けた心は
透明な雫になるから
あなたの乾きを潤せるのなら
この心
全部溶けてもいいとさえ
思ってしまう
明らかに
恋病は
重症化へと進行中
# 透明
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
詩 宮沢賢治
こんな人の傍らで
ひっそりと
穏やかに暮らしたいと
思うことも…
# 理想のあなた
あのひととの
突然の別れは
わたしの心を
打ちのめし
粉々にして
暗闇の中に
ばらまいた
# 突然の別れ