来世で君と会うときには
わたしがこの世で付けた
様々な色彩は全て消し去り
無色で会いたい
君の色 一色だけに
染まるために
# 無色の世界
母が逝き
人里から少し離れた所の火葬場で
最期の別れをした帰り道
緩やかな坂道の両側には
満開の桜並木
無数の桜の花びらが
微かな風に乗り
はらはらと
はらはらと
次々と
次々と
舞いながら
まるで
別れを惜しむかのように
散り続けていました
散る桜を見る度に
母を恋しく想います
桜の花が
良く似合う母でした
# 桜散る
そういえばいつの間にか
わたしの夢見る心は
消えていたよ
きっと
あのひとを失くした時に
悲しみの大きさに押し潰されて
消えたんだね
わたしの夢の主役は
必ずあのひとだったから
当然のことだよね
あれから
消えた夢は見ていないし
夢見る心を探すことさえ
忘れていたんだ
これから先
これまでとは全く違った
新しい夢を見る心を
持てる日が来るのか
どうなのかが
今は少しだけ
気になりはじめたところだよ
# 夢見る心
出来ることならば
あなたの胸の奥深くまで
届けたい
届きたい
秘めて隠してきた恋心
あなたの心を捕えたひとは
もうすぐお嫁に行くという
耐えるあなたに
かける言葉がみつからない
届かぬ想い
片想いのやるせなさ
# 届かぬ想い
神様
お願いです
あのひととわたしを結ぶ
赤い糸を
どうか切らないでください
来世でも
再来世でも
再々来世でも
ずっとずっと
あのひとが呆れるほどに
ずっとずっと
繋がっていたいのです
固く結んだ
この世の縁を
失いたくないのです
# 神様へ