夕づつ

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11/10/2023, 11:36:37 AM



  子供の頃に何回か
  家族で楽しんだ
  月見の宴

  家のベランダに
  テーブルを出し
  ススキとお団子を飾り
  皆で眺めた仲秋の名月


  父は俳句
  母は短歌を詠み

  姉とわたしは
  お団子を食べるのに忙しくて
  まさに 月より団子…




  お月さまを好きになったのは
  絶対に両親の影響だと
  ススキを見る度に
  遠い日を
  懷かしく思うわたしです





           # ススキ (327)

11/9/2023, 8:36:12 PM



  いつも脳裏にあるのは
  あなたと過ごした
  いくつもの場面

  それは
  その時々の
  あなたの言葉と共にある


  心ときめいたシーン
  嬉しさが溢れたシーン
  喜びに涙したシーン
  何気ない日常の中のシーン
 
  そして最後の
  悲しみのシーン



  どれほど歳月が流れても
  脳裏に焼き付いた残像は
  消えることはなくて

  あなたを亡くした
  悲しみだけが

  諦めの中で
  静かに
  色を変えていく





           # 脳裏 (326)



11/7/2023, 9:31:40 PM




   縁と言うには
   あまりに強く
   小指に絡んだ
   赤い糸


   来世でも
   一緒にと

   あなたとわたしの
   無言の約束






       # あなたとわたし (325)

11/6/2023, 9:39:58 PM




  音もなく降る細い雨は
  まるで
  あなたのようです


  緩やかに
  わたしの心を潤し
  満たし
  穏やかで
  優しい気持ちにさせてくれる…




  きっと今日は
  柔らかい雨になって

  逢いにきてくれたのですね






         # 柔らかい雨 (324)


11/5/2023, 5:05:36 PM



  せいたかあわだち草の 
  花粉をふりまいて 

  風は
  田園を黄金色に染めました


  この絵の具が
  次の風に吹きはがされる頃
  秋は
  いよいよ終着駅へ



  秋の終点が
  冬の始発駅となるのなら

  あなたとの恋の終点は
  想い出の始発駅



  サヨナラを合図に
  発車のベルが鳴りひびけば

  わたしの心も

  蒼白な冬へ
  ひとり
  旅立ちます






           ☆ 旅立ち (323)



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