花が開くように
密やかに
夜が訪れるとき
記憶された
わたしの中の過去が
ひとつづつ
小さなうねりとなり
打ち寄せる波となって
こころの奥に凍結させた
ひとつの想いを
静かに融解し
空虚な夜の海へと
誘います
遠いあの日
ガラスのこころで拒絶した
あなたの手のぬくもりも
あなたの淋しい嘆息も
今であれば
優しさだけで
包むこともできたでしょう…
想いは
深い海の中
もう
ひとすじの月明かりさえ
届きません
# 夜の海 (246)
お帰りなさい
今年の
お線香の匂いは
好きですか
時だけが
静かに
流れていきます
☆ お盆 (245)
朝起きた時
一日が始まるのが
楽しくありません
こころが
少し壊れ気味のようです
心療内科に行けば
なんらかの病名を
つけられるのかもしれませんが
いまのところ
行く必要性も感じていないし
行く気もないのです
それでも精神安定剤は
欲しい気もしています
病みかけたこころは
無気力
無感動
薬に頼ってでも
こころが
楽なほうがいい
死にたいとは
思わないけど
生きるのも
けっこう
しんどい。。。
# 心の健康 (244)
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喪失感がもたらす心の不調
原因はそれです
あのひとロス…
今日も一粒
時間薬をのむしかなくて
☆ 独り言 (243)
君の奏でる音楽は
もう二度と
聴くことが出来ないけれど
わたしの耳は
憶えているよ
君の
旋律
音色
息づかいまでも
呆れるほど
泣きたくなるほど
鮮明に
# 君の奏でる音楽 (242)
麦わら帽子ひとつにも
煌めく想い出がある…
想い出も
あのひとも
忘れる方法があるのなら
誰か
教えて
淋しくて
たまらないんだ
# 麦わら帽子 (241)
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月が雲に隠れた
この夜に
淋しさの海に
落ちました
淋しさは
身体中に
ジュワッと滲み込んで
心まで全部
淋しさまみれ
涙は
慰めにはなるけれど
いくら泣いても
あのひとに逢えない
淋しさを
消せはしないのです
わかっています
時間薬しか
ないことは…
☆ 淋しい夜 2(240)