時は
想う心を待たずに
流れ去って行きます
時のほとりで
手も振れずに
降りしきる
雨を見つめて
過ごす一日
あなたの心に
降る雨は
止んだでしょうか
とり残された
あなたへの想いは
これから
何処へ連れて行けば
いいのでしょう
雨音だけの
時の迷路で
✩ 時の迷路で (120)
白いノートも
黒いインクも
さみしい さみしい
白を黒で汚していく
さみしさ
あのひとのことばかりを綴る
さみしさ
忘れきれないでいる
さみしさ
さみしさばかりの部屋で
心をそっと抱き寄せて
想いを巡らせれば
行き先は
いつも決まって
あのひとの後ろ姿止まり
終わった恋のうえで
想い出だけが
カラカラ カラカラ
空回り
✩ さみしさばかりの部屋で(119)
銀色の
月の光は
想い舟の道案内
心の奥に
閉じ込めたつもりの
恋心
夜風に揺れて
誘われて
あなたのもとへ
走ります
想い舟の
櫂のしずくは
流れ星
つかのまの輝きに
願いをかけてみるけれど
忘れられない
忘れられない と
夜に落とした呟きは
どなたが届けて
くれるでしょう
月の光は
冴えわたり
揺れて
揺れての想い舟
# 流れ星に願いを (118)
あなたが
ハナミズキの花を
好きかどうかさえ
わたしは知らない
あんなに傍にいたのに
あんなに話しをしたのに
なんてさみしいことかしら
✩ハナミズキ (117)
疲弊した 心
砂漠化する 想い
干乾びていく 思考
時折の
蜃気楼さえ
いまは 砂色
頬杖をつく
手の冷たさが
心地良い
わたしは
まだ
死んではいない
# 今日の心模様 (116)