手を伸ばしても
追いかけても
届かない
後ろを向いて
歩き出せば
どこまでも
ついてくる
そんな望月に
心 みだされ
叶わぬことと
諦めたはずの
夢の続きを
また
見てしまう…
✩ 望月 (115)
海星(ヒトデ)が
哀しみの重さに
耐えきれずに
海に落ちた
星だとしたら
わたしが落とした
涙の雫も
あなたの胸の中で
いつか 何かに
変わることが
出来るでしょうか…
# 雫 (114)
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お互いが お互いを
気遣いすぎた
そのために
身を寄せあって
温め合いたいとしながらも
そうなれない二人の距離に
苛立ち
病んだ心は
無茶苦茶に
手にした愛を
振り回すから
思わず
相手を傷つけてしまう
あなたも
そして
わたしも
いま
愛は
哀しい凶器に なる
✩ いま 愛は (113)
あなたにとっての
わたしの存在理由と
わたしにとっての
あなたの存在理由とが
同じであるなら
そのほかは
何も望まない
何もいらない
# 何もいらない (112)
あなたが
描いている
遠い夢の
片隅に
わたしは
いますか
# もしも未来が見れるなら (111)
不信という名の
怪物が
わたしを捉えて離さない
孤独な夜
不安と哀しみの狭間を
彷徨うことにも疲れ
眠りにつこうと
目を閉じても
先の見えない暗闇に
落ちていく心は
加速度を増すばかり
わたしを呼ぶ
あなたの声だけが
明日への道標となる
✩道標 (110)
(無色の世界)