【手ぶくろ】
私が小さい頃…両親は、家に居ない時が多かった。
父親は、朝早くに仕事に行っていたので小さい頃の父親との記憶が殆ど無い。
母親は、何故か、家に居なかった。
だから、遊んでくれるのも、ご飯をつくってくれるのも、お風呂の時間も、寝る時も…全部、近くに住んでいた母方の祖母がしてくれていた。
母方の祖母は、仕事があったけれど…それでも、小さかった私のお世話をしてくれた。
祖母が居なかったら、私は、ここには居ないと思う。
そのぐらい、とても大切な人です。
ある寒い日、母方の祖母が手ぶくろを私につけてくれた。
「外は寒いからね。手ぶくろつけようね。」
って。とても優しい声で。
私の小さい手ぶくろをストーブで暖めて暖かくしてから、ゆっくりつけてくれた。
とても暖かくて、冷たい手がすぐ暖かくなった気がした。
外に出ると、冷たい風が吹いた。
やっぱり、家に居たいな。って思ったその時、祖母が手を優しく繋いでくれた。
「外は、やっぱり寒いね。手を繋いでいようね。」
暖かい手ぶくろが、もっと暖かくなった気がした。
その後、両親には内緒でお菓子を買いに祖母と一緒に買い物に行ったり、近くの公園で少しだけ遊んだ。
とても優しい時間だった。
このままずっとずっと一緒に居たいと思っていた。
そんなことを、思い出した。
【変わらないものはない】
“変わらないものはない”
そう言われて、私がすぐ頭の中に浮かんだものは、人間関係です。
私の人間関係の話を聞いてくれますか?
長くならないように、書きますね。
高校生の頃の話。
1年の頃、隣の席で仲良くなった子がいる。
その子は明るくて、話も面白くて、趣味も同じで、一緒にお弁当食べて、一緒に帰って…本当に優しくて面白くていい子なのです。
入学してすぐの初めての友だちで、本当に嬉しくて安心したことを思い出した。
2年の頃、クラスに少人数だけど友だちができ、毎日毎日楽しかった。
私は、いじめられたけど、友だちは「気にしなくていいよ。」って言ってくれたり、友だちと少ない休み時間に絵を描いたり話したり、机を引っ付けてお弁当を食べて、帰りに一緒に帰ることが本当に本当に、楽しかったな。
休みの日は、一緒に遊んで、写真もたくさん撮って、たくさん笑って…本当に本当に、楽しかった。
3年の頃、突然、何の前触れもなく、一人ぼっちになった。
何があったのかどうしてこんなことになったのか、理解できなかった。私は、本当に訳が分からなかった。
精神的にも身体的にも悪くなった。
あんなに、仲良くしてた友だちが急に私を見る目が変わって、移動教室の時もお弁当の時間も私を避けて、とうとう一緒に帰らなくなった。
いじめっ子もこことぞばかりに、いじめの内容がどんどんエスカレートしていき、授業中もいじめてくるようになった。(いじめの内容は、割愛する)
私は、3年の三学期保健室登校するようになった。
卒業式にも出席せずに、空き教室で卒業証書もらった。
あんなに、暖かくて明るくて楽しかった教室なのに。
教室が、冷たくて、暗くて、恐ろしくて、怖い。
そう思うようになった。
変わらないものは、ない。
私は、そう思います。