2/26/2023, 12:37:26 PM
#43 『君は今』
結局、溢れ出した気持ちを伝えることはできなかった。
君は今、あの空へ旅立った飛行機に…。
展望デッキから遠くへ消えるまでずっと眺めていた。
いつまで眺めていたのだろうか…。
…すると、スマホが震えた。
『ねぇ、さっき何か言いかけたよね』
何だよ、雰囲気ぶっ壊しじゃないか、
と、思わず微笑み、フリックする。
『次に会うときに教えるよ』
2/26/2023, 12:38:57 AM
#42 『物憂げな空』
駅から試験会場へ向かう道
への字口の受験生たちが
眉間に皺を寄せて歩いていく
数時間後にはキミたちの目に映る
物憂げな空から光が差し込ますように
2/24/2023, 11:51:52 AM
#41 『小さな命』
研究室で二人が話をしている
「本当にコレが"命"なのか?」
「よく見てください、ほら」
ひとりが虫眼鏡で何かを覗き込んでいる
「点にしか見えないけど…」
するともうひとりが顕微鏡を取り出して、ソレを覗いて見る
「ほら、やっぱり小さな"命"ですよ」
「本当か?」
と覗いて見る
「おお!本当だ」
「でしょ!!」
歓喜に沸く二人
「凄いな。よくこんな小さな"命"を書いたもんだ」
2/23/2023, 4:18:22 PM
#40 『love you』
帰国子女で一緒に温泉巡りをしている友人に
「今度、どこ行こうか」
と話しかける
同時に、友人のスマホにSNSの通知
「えっ、何?」
「だから、次の温泉どこに…」
友人はSNSのメッセージに慌てた様子
「ごめん、行かなきゃ…love you!」
私がこのあと、"らぶ湯"という温泉地を探したのは秘密だ
2/22/2023, 1:37:29 PM
#39 『太陽のような』
キミはまるで冬の太陽だ。
相談をすると、つっけんどんにアドバイスをくれる。
愛想なんてあったもんじゃない。
ただそのアドバイスは的確だ。
私たちのの行き先を、その周りを明るく照らしてくれる。
ただいつも雲隠れして、居なくなるのはどうにかして欲しい。