3/1/2026, 5:47:56 AM
遠くの街へ行きます。という書き置きを残して母が行方不明になったのが十年前。
あなたたちの幸せが私の幸せよ、なんて朗らかに笑っていた母がなぜ。
悲しみと寂しさに暮れ、それでも容赦なく部屋は汚れお腹は空くので、父と私と弟の三人で見よう見まねで家事をして。
【お題:遠くの街へ】
2/28/2026, 6:12:29 AM
そんなこと言ったって、やりたくないことはやりたくないのだ。
私だって好き好んでミカンばかり食べているわけではない。これで5個目。指先はミカン汁で黄色くなってきたし、いい加減歯ごたえのあるスナック菓子も食べたくなって来たけど、今こたつから立ち上がったら現実を直視せざるを得なくなる。見ざる聞かざる言わざるプロポーザル。プロポーザルってどういう意味だっけ?勧めるだか推奨だか。知らん。今は指がベタベタだからスマホで調べ物もできない。
【お題:現実逃避】
1/9/2026, 11:24:19 AM
「薄氷の三日月」という名のカクテルを、このバーでは出しているという。公には
【お題:三日月】
12/31/2025, 12:42:08 PM
年越しそばをさあ食べるぞというその時チャイムが鳴り、やってきた配達員が持ってきたのは、巨大なちくわのぬいぐるみ。
「え」
「丸山様でお間違えないですね?」
ちくわに直接貼られた送り状は確かに私宛で、送り主は空欄。しかし、注文覚えも、抽選に応募した記憶もない。
「あのこれ、私」
「丸山アサミ様、ですね?」
ふと気づく。聞き覚えのある声。顔を上げて見れば、配達員は2日前に納めたはずの仕事の同僚で。
「なんで」
「よいお年を」
「お題:良いお年を」
10/14/2025, 12:31:19 PM
風呂を上がったら、梨が剥いて置いてあった。
すべらかなダイニングテーブルに白い皿。その上に、一口大に切られた梨。はちきれんばかりに水分を蓄え、リビングの明かりに光る。