「明日なんか来なければいい」
机に突っ伏して君がうめく。カフェインドリンクの空き缶が机から転がり落ちて空虚な音を立てる。
「明日は来るよ。っていうかもう今日だよ」
時計は0時を過ぎている。
「うわああ」
「なんで今までやってなかったのよ」
「だって、だって」
パソコンのテキストメモは真っ白。いや、辛うじてレポートのタイトルと名前は書いてある。
これを今日の2限、10:45までに
【お題:明日に向かって歩く、でも】
何も思いつかないんたが。どうしよう。
「ただひとり」という言い方をするのは、例えば「僕が愛したのはこの世界でただひとり」とか「この試験に合格したのは〇〇さんただひとり」とか、要はある厳しい条件のもとで選ばれた一人を指すものであって、あんまりそういうの縁がなかったのかも。
「君へ」ということは何か伝えることがあるのだろうけど、特にそういう選ばれた人に言いたいことはないしなあ。
えーと。頑張ってください。
ごめん。何も思いつかない。
【お題:ただひとりの君へ】
【お題:あたたかいね】
「生まれ変わりってあるのかな」
目がくらむほどまぶしい舞台。その中央にはグランドピアノが一台。白と黒の鍵盤は冷たく艶やかに光をはじいている。
5000人の観客が、息を潜めてサヤカが出てくるのを待っている。稀有の才能をもったピアニストとして一躍有名になった彼女を。
「何してるの。早く!」
マネージャーが急きたてる。しかしサヤカは動かず、私の目をじっと見つめて、
「私ね、前世はあなたと家族だった気がするの。恋人だったかもしれないね。」
【お題:星のかけら】
お題が英語じゃないか。英語になるだけでかっこいい感じしちゃうよなやっぱり。「リンリン」って書くと、なんかパンダの名前みたい。それはそれで可愛いけど。
この場合は擬音なんだろうか。鈴の音?チャイムの音?古いタイプの電話の音?まさかお腹はリンリンとはならない。お腹に鈴をつけていれば鳴るのか。へそにピアス?ピアスのノリで鈴がついているのか。それは不良なのかエンターテイナーなのか。
【お題:Ring Ring…】